注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。
2001年に発売されたFPS。本作品はどちらかというと、シングルプレイヤーモードよりマルチプレイヤーモードが人気となり、私も長時間遊んだ。しかしながら、シングルプレイヤーモードも個人的な傑作と思っており、何度もクリアーしたり、ゲーム内の資料を翻訳したりした。今現在Steamで(セール時でなくても)安値で購入できる。
ミッションの目標等は英語で書かれているが、文体や単語は容易で、読めなくても、手当たりしたい散策していれば問題ないだろう。しかし、ムービーには字幕がなく、且つそこそこ長文のテキストがマップ内に点在しているので、ストーリーを追うには、それらを聞いたり読んだりする必要がある。
当時のFPSは、今よりはっきりとリアル系とアクション系とに別れていた。そのような中、このゲームは、銃火器の集弾性やスタミナ、リーンなど、若干シビアな要素も取り入れたゲームとして、違和感を感じた人もいたかもしれない。ステルスを要するミッションも2つほどある。それでもアクション性の高いFPSには間違いないので、リアル系が苦手な人でもプレーできないことはないと思う。私は資料の翻訳のため隅々まで散策をしたので、25時間程度かかった。また、最終ステージ直前では、難易度ノーマルでも何度も死んでやり直しをした覚えがある。高難易度では、敵の数が増えるというよりも、命中率が非常に高くなるように感じた。
私がこの作品で特に気に入っているのはストーリーだ。ナチスがオカルトを研究していた…とはよく聞く話だが、このゲームではそれを題材として扱っている。ストーリーそのものはありきたりだが、ダークな世界観とオカルトを上手にまとめている。そのため、モンスターやロボット等の敵も登場する。
AIは単純で特筆すべき点はあまりない。壁に向かって延々と走ったりするような失態は見せていないが、暗くても命中率が高かったり、一度疑い出したら警戒を解除しなかったりする点が気になった。
マップは幾つかの例外を除きどこも薄暗いので、あまりバリエーションはないように感じる人もいるかもしれない。しかし、個人的には陰鬱な雰囲気が作風に合っていると思う。ロケーションは墓地や研究施設、基地など豊かに富んでいる。
もう10年以上前のゲームなので、流石にグラフィックは古めかしく感じる。確かに当時の最新のテクノロジーを引っさげて発売された、というわけではないが、グラフィックの軽さの割に非常に綺麗だなと感じた。森林など明るい場所では、やや粗が目立つが、カタゴンベなどの大抵の場所は雰囲気が出ていた。武器などのモデリングは普通。ただ、火炎放射器のエフェクトがスプレー缶のようで安っぽい。
サウンドに関しては、当時流行していた3Dサウンドには対応していなかった。しかし管楽器を主とした幾つかの曲が印象に残っている。
バグや不具合は、最新のパッチを入れるとほぼ解消される。総評として、個人的にこのゲームは傑作と思っているので、まだプレーしていない人はセールの時にでも買ってほしい。