Metro 2033レビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

metroMetro 2033は、4A Gamesが開発したアクションFPSである(2010年発売)。マルチプラットフォームゲームで、Xbox 360版ではスパイクからローカライズされたものが出ているが、PC版も日本語版が発売されている。metro02核戦争により壊滅的な打撃を受けたモスクワでは、生き残った人々が地下で肩を寄せ合うように生活していた。更に悪いことに、放射能で変異した巨大生物が人々を襲って、人類は風前の灯という状態だった。主人公は、エキシビジョンという集落で育ったアルチョム。ここは特に危機的な状況に置かれており、彼はポリスという別の集落に救援を要請し、また人類にとって最も脅威と看做されている敵ダーク・ワンを打ち滅ぼさなければいけない。metro04安直なポストアポカリプスゲームは数多にあるが、本作品はゲーム性、グラフィックが特に優れ、その世界観を見事に構築している。アルチョムは、ゲーム中一切喋らない匿名性の高い主人公だが、後半のムービーではその姿が見えるようになり、なりきってプレーするのか、それとも他人と割り切っていいのかわからなかった。また、彼は20歳の青年という設定だが、ミッション開始前の独白の声を聞く限りとてもそう思えない。50台かと思った。metro10英語の字幕表示が可能(わずかにロシア語が混じる)だが、そこそこ会話が多いのでストーリーを追うのにはリスニング力が必要。ミッション目標はジャーナルに書いてあるが、ゲーム進行上の障害ではなく、ストーリー上の漠然とした目標なので当てにならない。metro06このゲームは、S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobylと雰囲気こそ似ているが、完全な一本道シューターである。つまり、自由気ままにフィールドを歩いたり、サブミッションを請け負ったりすることはできない。個人の好みに依るが、個人的にSTALKERは長時間のプレーによって後半うんざりしたので、こちらの方がプレーしやすかった。metro08このゲームを始めて驚いたのは、東欧産ゲーム特有のイモ臭さ、荒削りなバランス、B級っぽいグラフィックが感じられなかった。ゲームとしての質はもとより、親切丁寧なチップすら表示されるのに感嘆を禁じえなかった。では、ゲーム性について述べよう。一言で評するなら「面倒なFPS」だ。というのも、制作者は「核戦争後の荒廃した世界での戦い」を体験させる為、プレイヤーに色々と面倒な制限を課している。例を挙げると、多数の装備品を背負っているため、主人公の移動速度は相当遅い。ナイトビジョンなどの電源バッテリーが切れると、携帯用発電機を取り出して充電しないといけない。地表やガスが充満している場所では、ガスマスクを着用しなければならず、そうすると視界が狭まり(攻撃を受けると亀裂が入ったり、結露が発生してさらに見えにくくなる)、そのフィルターも有限である。ミッション目標を参照するにも、持ち物の一つであるジャーナルを確認する必要があり、暗いとライターをつける必要もある。個人的に呆れ返ったのは、子どもを背負う場面で、なんとプレイヤーのマウス感度が鈍くなってしまう。これら制限は、プレイヤーよって大きく評価が分かれるだろう。「グラフィックは核戦争後の世界を描写しているものの、他は普通のFPSと何ら違いはない」というレベルで済ませておらず、きちんと過酷な世界をプレイヤーに体感させようとしている。制限を加えることで、プレイヤーをこの世界に引き込ませている。特に弾薬とフィルターは、常に頭の中で懸念材料となって、適度な緊張感を与えるのに成功している。しかし、それらの制限を厳しくしすぎると、一変して不満に感じてしまう。正直に言うと、1周目のノーマル難易度では、相当イライラしながらプレーしていた(2週目は先を見通せていたので、そのような不満はなかった)。尚、チェックポイントセーブ性だが、大きくやり直しを強要させられたことはなかった。metro07戦闘も、後半になるほどストレスが溜まった。先に述べた制限に加え、耐久力が少ない(自動回復で、ヘルスは5つまで持ち運べる)。銃も使いづらく、狭い室内でモンスターがひっきりなしに襲ってくる。無限スポーンの場所もあって、効率よく進まないと弾薬とヘルスとフィルターを無駄に消費してしまう。また、ヘッドショットが非常に重要で、特に体力のある敵には狙って撃ち込まないと、弾薬は底を突いてしまうだろう。1週目のプレーでは、その重要性がわからず嬲り殺しになることが多かった。銃を撃っている感覚は良いが、集弾性は非常に悪い。アイアンサイトを使うか、接近して連射する必要がある。肢体欠損はなく、派手な出血も見られないので当てている感覚に乏しい。基本的に1人で戦うゲームだが、徒党を組んで進んでいくマップも幾つかある。誤射はないので気にする必要はない。また、仲間への指示も出せない。ほとんどが敵を倒しながら進んで行くが、ステルスで遂行するマップもある。metro09ガイドとしてコンパスが表示されるが、迷ってフィルターを使い切って死んだこともあった。というのも、マップが入り組んでおり、このコンパスは、上下方向までは教えてくれないからだ。また、こまめにバッテリー量も確認しないといけない。序盤、「どうしてこんなにフラッシュライトが暗いのか…」と気になっていたが、バッテリー残量でその光量が変わってくる。この充電器は、Fキーを長押ししないと取り出せない。操作設定画面には載っていない(ロード画面のチップに書いてあった)のでわからなかった。metro11この世界では、軍用弾薬が通貨となっている。弾薬やアイテムの売買、武器のアタッチメント装備、アーマー強化などは、その弾薬で取引する。もちろん普通に銃の弾としても使え、その威力は絶大。図書館以降この軍用弾薬も使わなければ困窮してしまう状態だった。ただ、それ以後は取引する場所がないので全く問題なかったが。metro12エンディングは2種類あり、いわゆるグッドエンディングは、カルマを上げてクリアーしなければならない。このカルマの視覚エフェクトは、明らかにわかりづらい。一瞬画面が青白く光って、水滴が落ちる音がするとカルマが上がったことになる。では、どのような行為でカルマが上げるかというと、これがまたバラバラで統一性がない。人助けをするのはわかるが、他、自室のギターを鳴らしたり、ステルスで攻略したり、ダークワンに触れたり、シークレット的な場所や死体を発見したりするので、ウォークスルーや動画を見た方が早い。

クリアーまで約12時間かかった。私は全ての実績を解除したので合計35.7時間プレーした。metro05敵はモンスターと人間で、当然ながらその行動パターンが異なる。モンスターは死ぬまで突っ込んでくるのが基本だが、瀕死になると逃げることもある。人間は、基本的にカバーを取りながら銃撃してくる。その位置もこまめに変えて、逃げれば追って来る(階段を行き来することはなかった)ので手ごわい。手榴弾も投げるので、導火線に火がついている音が聞こえたら要注意。爆破範囲も広く、大抵即死する。そのため、モンスターよりも人間と戦う方が面白かったが、割合的に7:3とモンスターとの戦いの方が多く感じられた。
metro01敵AIのステルス感度は微妙。銃声が響いたり、気づかれずに殺せなかった場合、敵全員がこちらを発見した状態になる。仲間の死体もきちんと認識して、こうなると何故か発見された状態になる。ただ、敵は頭部のフラッシュライトの範囲内でしか認識せず、また時計のステルスメーターも参考になるので、そこまで難しいと感じなかった。metro03一部のマップで地表に出ることはあるが、終始トンネルの暗闇を歩き回るゲームである。色合いが綺麗だったり、バラエティーに富んでいることはないので、人によっては単調と感じるだろう。個人的にはゴーストとアノマリーのマップが素晴らしかった。metro13個人的に素晴らしいと思ったのが、接近戦や動作をするアニメーションである。欧米の大作では、こういう細かい芸当は当然だが、東欧産でここまでのクオリティーは初めて見た。デーモンの飛行アニメーションはちょっと違和感があった。また、ヘッドショットを決めると、マスクやヘルメットなどの防具が剥がれたりフラッシュライトが壊れたりする(頭部だけ)。地表でマスクを撃ち抜くと、そのまま悶え死ぬか予備のマスクに代える。

音声はロシア語を推奨する。そうすると、リスニングによる理解が全くできなくなるが、ゲームの雰囲気が格段に良くなるのでお勧めである。一応ゲーム中にBGMが流れるマップもあるが、殆ど印象に残らなかった。ボリュームは小さく、調子も可也控えめ。一方、銃火器をはじめとして、音響エフェクトは可也質が高い。metro14ゲーム起動時、グラフィックドライバーを最新のバージョンに上げろというエラーメッセージが出た。そのままプレーすると、爆風エフェクトや薬莢が空中で留まっている異常描写が発生した。バージョンを258.96に上げると、エラーメッセージは出なくなるが、やはり薬莢が空中で停滞しているのは変わらず(頻度は減った)。発砲した後に残る硝煙もかなりの時間澱んでいるが、これはこういう仕様なのか。他、マーケットの出口でスタックしたり、フィルターを交換している最中にマスクを外すと、歩くこと以外何もできなくなるバグが発生した。

シューターとしての爽快感はあまりないが、世界観や雰囲気はトップクラスの出来と言っても過言ではない。終始憂鬱で淡々と進んでいくので、そういうのが好きなゲーマーは買うべきである。

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