FarCry 2 レビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

fc2topドイツCrytekが製作したFPSの続編。とは言うものの、今回は製作元も内容も異なり、実質「題名が同じだけの別ゲーム」である。例によってマルチプラットフォームだが、それによる弊害は特に感じなかった。fc2アフリカの某国家をモデルとしているが、具体的に名前を出すと問題となるので、仮想国家になっている。そこでは2つの勢力がしのぎを削っており、また各々に武器を売りさばいているジャッカルという人物がいる。プレイヤーはこの闇商人を始末して、武器の供給を断たなければいけない。プレイヤーは、複数の主人公の中から1人選択することになるが、ゴードン・フリーマンのように匿名性の高い人物なので、誰を選んでも一緒という気がした。ゲームを眺めていると、現在のアフリカ諸国が内包している問題を提起しているようで、色々考えさせられるかもしれない。しかし、ゲームの都合によって、一般市民やその生活が欠落しており、その点Boiling Pointより説得力が欠けていた。fc01ゲームのクリアーは、単にマップに示されている場所に行って銃撃戦をすればいいので、英語力は不要である。NPCとの会話は、他のゲームに比べれば比較的多い方だろう。

Grand Theft Autoシリーズのような箱庭系FPSである。チュートリアルが終わると、ゲーム側から「後は好きなミッションを勝手に受けろ、収集物を探し回ってもいい」と言わんばかりに、マップに放り出される。これで構わないが、肝心の自由度、というか「プレイヤーができること」が単調と言わざる得ない。メインミッション、サブミッション、通貨であるダイアモンド収集、ジャッカルの肉声が入ったテープの収集、これらしかできないのだ。ミッションは、ほとんど全て「~に移動し、戦って、要人暗殺か物品回収をする」である。ステルスで行くか、開戦の狼煙にグレネードランチャーを撃ちこむかはプレイヤーに委ねられているが、ワンパターンすぎる。ゲーム序盤でもう作業感を感じて、「これは気合を入れてプレーするゲームではないな…」と悟った。収集ミッションは言わずもがなである。先に2つの勢力の闘争と書いたが、実質これは意味を成しておらず萎えた。まず、どちらの勢力からも問答無用に敵対されており、これはラストまで続く。引き受けるミッションも結局は同じで、どちらが先か後かの変化でしかない。fc3他にもセーフハウスのアンロック、ガードポストの確保があるが、これは実質意味を成してない。セーフハウスは文字通りセーブとロードをする場所だが、PC版はいつでもそれが可能(コンシューマ版は知らない)である。ヘルスや武器の保管庫としても機能しているが、だからと言ってありがたみを感じない。ガードポストは苦痛の極みだ。一度敵を蹴散らして確保すると、以後一切出てこなくなると思っていたら、そのガードポストを後にした直後からリスポーンしている。車で駆け抜けようと思っても、相手も車に乗り込んで執拗に銃を乱射しながら追いかけてくる。他のミッションの真っ最中にも当然付け狙われ、それで殺されると閉口してしまう。後半は大ダメージの50口径重機関砲やグレネードランチャーを搭載したトラックも登場し、一層凶悪化する。fc9プレイヤーはマラリアを罹っているが、ミッションをこなして薬を手に入れなければならない。この半強制ミッションは好ましくない。何のために導入したのか、製作者の意図が露ほどもわからない。発病時に眩暈が襲ってくるのだが、薬がなくなった状態で何度かこうなると、強制的に中央の町に担ぎ込まれる。その町に帰っている時なら好都合だが、ミッションの途中だったら最悪だろう。またこの薬のキーとヘルスのキーが一緒で不都合に感じた。

総じてミッションのバラエティーがかなり乏しい。このような「マップだけ緻密に作りこんだのは良いが、肝心のミッションがダメ」というゲームはたくさんあるが、本作もそれに当たる。折角のアフリカのマップがもったいない気がしてならない。終始移動と戦闘ばかりやってた気がする。
fc10ここまで批判ばかりしていたので、今度は良いところを見てみよう。まず、FPSとしての基礎が非常に良くできている。意外に感じたが、このゲームは割とシビアなシューターである。ヘルスは自動回復だが、5つのブロックに区分されており、その範囲内でしか回復しない。アーマーは存在せず、撃たれ弱いので、多人数に正面切って突っ込んでいくと、蜂の巣になるだろう。また出血ダメージも採用しており、ヘルスが20%以下になると危険である。ヘルスキットは携帯式で、1つの消費で全回復する。その携帯数はアップグレードして増やせる。携帯できる武器もカテゴリー別に4種類(その内ナタは固定)で、その弾薬も少なめである。照準も初期設定ではオフである。またHUDも、必要な時以外消える仕様。これは最近の流行らしいが、個人的には見たいときに見れなかったりするので、あまり良い印象は受けない。
fc4突っ込んできた車両に轢き殺されたり、前後から挟み撃ちを食らって死ぬことが多々あるが、バディーという仲間の存在で、ゲームオーバーにならずに済む。プレイヤーが倒れると、救出しに来てくれ、一旦後退した状態で救護してくれる。そのままバディーを置いて撤退してもいいし、共に戦ってもいい。一緒に戦う場合、命令を出せる機能等は一切なし。メインミッションをクリアーするにあたって、バディーから別の解法を提案されることが多い。酒場には複数のバディーが集まっており、彼らからサブミッションを引き受けることができる。彼らと関わりを深めていくと、評判が上がっていき、これが一定数上昇するとセーフハウスの装備が充実してくる。このバディーも戦闘中に負傷するが、放っておくと死んでしまう。死ぬとそのバディーとの評判がリセットされるが、具体的なデメリットはわからず。
fc7運転パートもかなりあるが、車の挙動は良い。大抵この部分はなおざりに作られがちだが、このゲームでは「そのままアーケード系ラリーゲームが作れるのではないか。」と感心した。サスの縮み、タイヤの撓みなどのハーシュネスがプレイヤーに伝わり、ラフなアフリカの路面を再現できている。もし敵がいなかったら、ぶらりと観光に出かけてもいいくらいだ。しかしリアリティーは皆無で、タイヤを撃ったからといってパンクなどはしない。修理も単にラジエーターやエンジンのボルトを締めるだけとなっている。ボンネット視点ではなく、完全なインテリアが再現されている。ナビも標準装備しているが、画面が小さく結局地図を取り出したほうがいい。ミッションを受けると「そのミッションの場所は、こっちですよ。」と、標識の色が変わる配慮には助かった。

難易度ノーマルでプレーしたが、先にも述べたように戦闘が難しい。AIの賢さと自分の撃たれ弱さが相まって、数で押されると苦戦するだろう。回復薬を使う前に殺されたり、止血中にとどめを刺されることがあった。脅威の敵はスナイパーで、完全に風景に溶け込んだ場所から弾丸を撃ち込んでくる。グレネーダーの擲弾はバックファイアで識別が容易だが、カールグスタフの方は若干誘導するので注意が必要だろう。ショットガンや50口径の重機関砲を持つトラックからは、一気にヘルスを削られる恐れあり。

クリアーまで20時間程度だった。収集ミッションやサブミッションをどれくらいやり込むかによって、所要時間は変わるだろう。私の場合、後半のバディーミッションは殆ど飛ばした。fc14敵は兵士のみ。シマウマやガゼルはいるものの、プレイヤーを襲ってくるような猛獣はいない。個人的に、夜中川を泳いでいるとカバに襲われるといったシチュエーションなどが欲しかったが、テーマ的に合わないのだろう。ゲーム中は余り気にならなかったが、動物ドキュメンタリーを見ていると、なんだかゲーム内のアフリカが寂しく感じられた。

AIは、草を透視してガンガン撃ってきたり、認識能力が高すぎたりする。これらの点はマイナスだが、それ以外は概ね良く感じた。ガードポストから少し離れたところで銃撃戦を始めると、ポストにいる連中も怪しんでやって来る。こちらを見失うと、最後に確認した場所を注視しながら移動する。常にこちらの位置を認識しているわけではない。愚直に突っ込んで来る者もいれば、回りこんで側面を突く者もいる。また木や車両をカバー使う賢さがある。爆破炎上して転がり込んだ車両等も認識し、キチンと回避する。孤立すると信号弾を撃って援軍を呼ぶが、直ぐにそれが到着するのはどうかと思う。戦闘において手榴弾は使用しないが、一層戦闘が難しくなるためこちらの方が良いと感じた。fc6FPSでお馴染みの武器が色々揃っているが、詳しい紹介は割愛する。本作の売りの1つに炎による攻撃がある。火炎放射器に限る戦法ではないが、一旦地面に火が点くと、見る見るうちに周囲に着火し、辺り一面火の海と化す。木や小屋まで着火し、可燃物に燃え移れば、更なる地獄と化す。ここまで炎を使ったゲームは初めてで、これは非常に面白いと感じた。珍しい物としては、迫撃砲だろう。距離感を掴むのが難しいが、慣れれば遠距離から敵陣を一掃出来る。無反動砲は先制攻撃に非常に有利だが、発射の際に噴射するバックブラストで後方が引火する恐れがある。最初はなんで燃えているのか不思議に思った。
fc5ミッションや収集で稼いだダイアモンドは、マップに点在する武器商人の店で使う。端末にアクセスして購入するのだが、詳しい性能差がわからなかった。これら武器は徐々に劣化していく仕様で、そうなるとジャムが発生する確率が上がり、最終的に銃身が爆発する。敵が持っている火器は既に劣悪な状態なので、新品を買った方がいい。またこのゲームにおける武器の集弾性は、どれも低く、特にアサルトライフルは著しい。そのため店で、信頼性や集弾性を上げるマニュアルを購入しなければいけない。それでも劇的に上昇するわけではないので、基本このゲームでは手動バースト射撃を勧める。また初期状態で持ち運べる弾薬数も少ないので、早めに弾数アップパッケージを購入すべき。回復薬の保持数を上げる装備もあるが、通して底をついた状況にはならなかった。弾薬ボックスはいたるところに置いてあって、点滅しているものの、少し認識しづらい。このボックスに着弾すると、弾薬が彼方此方に暴発するギミックが面白かった。fc11乗り物も端末から購入することが可能。種類は少なく、個人的には場違いな高級セダンやMRスポーツカーも登場させて欲しかった。航空ユニットではグライダー(売っていない)しか存在しない。この操作がシビアで、何度も墜落して死んでしまった。fc8終始不毛な大地ばかり目にして飽きるのではないかと危惧していたが、バラエティー豊かでそうならなかった。確かに青々とした海や都市部のような物は存在しないが、延々と続く砂漠から、緑豊かなジャングルまである。更に天候と時間帯の変化も相まって、単調さを全く感じなかった。fc12前作のCryエンジンとは異なり、独自のDuniaエンジンを使用。マップは北と南に分かれており、その境界線だけロードが入るが、後は読み込みなしで移動できる。アフリカの再現力の高さには息を呑んでしまうだろう。色合いは黄色、茶色、深緑ばかりで、お世辞にもカラフルとはいえないが、個々のマップごとに微妙に雰囲気が違っている。草木も同じオブジェクトがずらずらと並んでいる様子はなく、自然な風景という感じだ。風が吹いても、皆同じように靡いている不自然さも感じない。スクラップ等の人工物も良く出来ていて、スラムっぽいアフリカが感じられる。人物なども良くできていて、同じ服装の敵ばかり倒している違和感もない。特に優れているのがアニメーションだろう。動きが滑らかで、かなりのバリエーションがある。私の環境では、HDRとBloomを切って、影を若干下げ、残りを最高設定にした。それでも常時高FPSを維持し、快適にプレーできた。

サウンド設定は、マスターボリュームとBGMの2つしかなく簡素。3Dサウンドには対応していないようだが、車内と車外でエフェクトの変化が感じられた。銃火器エフェクトはかなり迫力があり、銃撃戦の立役者となっている。BGMは現地の物が使われているようで、雰囲気に合うが個人的には印象に残らず。喋りは特有の訛りがあり、またそのスピードも速い。一応字幕がつくが、追っていくのが大変と感じた。

  • ダイアモンド探知機で、光りっぱなしになる場所があってわかりづらい。
  • スナイパーが岩の中にのめり込んだ状態で銃撃してくる。
  • 4WD車が岩に乗り上げると、簡単にスタックして情けない。
  • 幾度かのクラッシュと、ブルースクリーンを経験した。

fc13「シューターとしては優秀だが、箱庭系のゲームとしては稚拙」…単にこう書いて筆を置こうと思ったが、ふとこのゲームのトレイラーを思い出した。ありふれた暗殺ミッションを収録したものだったが、ステルスで始末したり、カールグスタフを撃ち込んだり、火炎放射器で一帯を火の海にしたり、遠隔爆弾で建物ごと吹っ飛ばしたりするものだった。開発者のコメントは忘れたが、恐らく「ターゲットをここに置いておくから、後は好きなプロセスで倒してくれ。」という意図だったのだろう。確かにミッションを明瞭単純にした方が、プロセスのバラエティーも広がると思うが、だとしてもゲーム全体としての貧相さはどうなるのか。協力プレーモードならいざしらず、シングルでこの内容だとお粗末と言わざる得ない。もしこのゲームを買うのなら、毎日少しずつプレーすべきで、根詰めて長時間集中すべきではない。

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