007 Quantum of Solaceレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

0071英国の作家イアン・フレミングによるスパイ小説の映画…作者本人は知らなくても映画の題名は知っているだろう。本作品は「007 慰めの報酬」のゲームである。開発はCall of Duty: World at WarのTreyarchおよびBeenoxで、販売はActivision。現在、米国アマゾンでリテール版が残っているのを確認したが、ダウンロード販売は行われていない。00715そしてGames for Windows Liveを搭載しているため、アカウント取得とプログラムのインストールが必須となる。このプログラムを単体で起動しても実績等は確認できず(少なくとも私の場合)Xbox.Liveでサインインする必要があった。今現在もプレーするために必須なのかわからない。

私はこの映画を未見である。そのため詳しい内容は知らないが、「007 慰めの報酬」と、前作「007 カジノ・ロワイヤル」の両方を題材としているようだ。各ミッションは独立した話で、映画を未見の者からすれば、「話やマップがあちこちに飛んでよくわからない…」という印象だった。ラストも唐突に終わって「これで終わり!?」という感じ。これは実際映画を見たほうがいいだろう。00711ミッション目標は携帯電話(ゴチャゴチャしているが)からいつでも確認でき、また行くべき方向もHUDに示されるので、迷ったりすることはないだろう。残念なことに字幕は表示されず、ストーリーを追うのは相応のリスニング力が必要。0079ゲームは、オーソドックスなアクションシューターである。壁などカバーに隠れると三人称視点になるFPSで、ちょっとしたステルスやミニゲームも加味されている。私は「本来見えてはいけないものが見えてしまう」という考えから、この三人称視点にあまり好ましくない印象を持っているが、版権のヒーローを魅せるという観点からは導入して良かったと思う。プレー中、カバーへ引っ付いたり離れたりする動作でまごつく時もあったが、すぐに慣れることができた。またカバーからカバーへ高速移動できるが、これは特に最高難易度で使うだろう。ただ、目的のカバーのどこにカーソルを合わせるのかわかりずらい場合もあった(すぐ隣にある場合、同じ方向のキーを押し続けると良い。縦や斜めの方向に疾走する場合がわかりにくかった)。

ステルスも導入されているが限定的で、スプリンターセルなどをやりこんでいるプレイヤーには物足りないだろう。カメラは死体を発見したり、プレイヤーを補足すると警報を鳴らすが、大抵のカメラは電源を落とせる。巡回する敵AIの動きも一定で、タイミングにまごつくことも少ないだろう。またステルスに失敗しても重装備の敵が出てくるだけで、クリアーが不可能になることはない。0075ミニゲームもいくつかあるが、直感的にわかるようになっている。平均台のような不安定な場所で、左右のバランスを取るもの、移動キーを素早く押してロックされたコードを解除するもの、そして悪人との肉弾戦(クイックタイムイベント)である。これは単にタイミングにあわせて移動キーを押すのではなく、画面特定の場所に現れるターゲットにカーソルを合わせてクリックする。うまくクリックできればボンドが敵に一撃を加えて、ミスすれば攻撃が外れたり逆にダメージ喰らったりする。非常に簡単でここで詰まることはまずないだろ。ミニゲームとしてはありきたりかもしれないが、映画のアクションとうまく融合させ、ボンドを魅せる役割を果たしている。

移動感覚は、最初に接地感覚に乏しいと感じたが、中盤以降は慣れてしまった。ヘルスは自動回復で、5~6発(ノーマル時)で死んでしまうが、その分回復速度も速い。多人数による攻撃に弱く、カバーに隠れた状態から的確なエイムが必要。セーブはチェックポイント制だが、マメに挟んでくれるので不満を感じなかった。尚、肢体欠損や出血は一切無い。しかし敵の被弾アニメーションがわかりやすく、遠くでも当てた感触ははっきりわかる。射撃時に銃身が跳ね上がる仕様で、若干狙いにくさはあるものの、撃っている感触を十分得られた。00714私が感心した点は、映画を見てプレーしようと思ったFPS初心者に対する配慮である。撃ったら爆発するような物は、それとなく光らせてある。ステルスにおいても、携帯電話でカメラの監視範囲と敵の巡回が一目でわかり、その敵AIも半分顔をこちらに向ける仕草で、プレイヤーに「このままだとステルスがばれますよ!」という警告を発する。これらをプレイヤーに直接伝えるのではなく、ほのめかし程度に伝えているが絶妙で、作りが上手いなと唸ってしまった。0076ノーマルに値する「諜報員」では、数箇所苦戦したのみで、それ以外は簡単だった。ステルスの難易度もそこまで難しくない。後ろから一撃加えれば、ノックアウトできるし、大抵のカメラも電源を落とすことが可能。一方、最高難易度「007」では2発で死んでしまい、敵の射撃精度も上がってくるので、序盤から苦戦するだろう。カバーに隠れていないと、すぐに殺されてしまう。また手榴弾で燻し出されて、狙い撃ちにされる厭らしい戦法もとってくる。00710初回プレーは8時間程度。2周目は最高難易度でプレーし、何度もやり直しを強いられたが、先の展開を知っていたので6時間程度だった。3週目は最低難易度でスピードラン(残った実績の解除を含む)に挑戦して、3時間未満で終わった。00712敵は、全て普通の兵士で、2度ヘリコプターと戦うぐらい。異様な耐久力を持つ存在は不自然なので除外したのだろうが、ボス(いるにはいるが、雑魚キャラ同様数発で死んだり、ミニゲームで倒す)というかクライマックスがなかったのが残念。AIはカバーに隠れても一部が丸見えになっている場合があるが、概ね不自然な行動も無く良好である。隠れて撃つだけを繰り返す受身的な姿勢が基本だが、ブラインドファイアは勿論、ちゃんとポジションを変えたり、中には回り込んで側面から突いてくる者もいた。プレイヤーが突っ込むと、後退してカバーを探すようだ。こちらの手榴弾はきちんと認識するので、落下と同時に爆破するようなタイミングで投擲したほうがいいだろう。また敵も投擲するが、時々失敗するようだ。0078武器は3種類(その内、ワルサーP99は手放せない)と投擲物(フラグとスタン)で、弾薬は大抵満タンまで補充可能。銃のバラエティーは多いが、同カテゴリー内での違いは良くわからない。またライセンス上の問題からか、武器の名称も架空のものとなっている。照準はRainbow 6のような収束型で、全体的に開きが大きいのが特徴。特にアサルトライフルは不便に感じた。基本はアイロンサイトで狙うことになるが、カバー状態からはそうできない(スコープ付きはなぜか可能で、ダットは不可)のは、ちょっと不便に感じた。レーザーサイトを装着した武器は、カバーに隠れても照準が出るため、ブラインドファイアに役に立つ。0074マップのバラエティーは、ゲーム最大の取り柄だろう。統一感はまるでないが、どれもこれも非常に綺麗な場所である。印象的だったのがオペラ劇場、ベニス、モンテネグロ鉄道。静止画だとのっぺりしてゲームっぽくなってしまったが、実際はもっと綺麗な風景である。0073JB LiveEngineというグラフィックエンジンらしいが、検索しても情報がなかった。恐らくコンソール仕様の独自エンジンではないだろうか。パッケージにEnhaned for DirectX10 64-Bit Multi-coreと言及があるが、実際どの程度パフォーマンスや画質が上がるのかはわからない。マルチプラットフォームのゲームにしては設定が多いが、PCゲームのような細かい設定は不可能。最大画質でプレーしたが、一貫してフレームは安定していた。私は08年の最新作をプレーしていないが、それでもこのクオリティーは十分素晴らしいと思う。Half Life 2のような写実的な描写で、ボンドやボンドガールの顔も非常に良く似ている。物理エンジンを導入しているが、限定的でプレーには関係ない。影に関しても申し訳程度。HDRもばっさりカットしてある。0077サウンド設定は、BGMとボリュームのみと非常に簡素。Miles Sound Systemに対応していて、反響音が効いているが、その環境ごとの細かな差異は感じなかった。銃火器のエフェクトは出来不出来の差を感じた。声優などは問題ないが、ボンドが寡黙であまり印象に残らなかった。気になったのはボリュームに対するBGMの音量が小さく、デフォルトで共に100%だった故調整できなかった。00713私の環境で発生した不具合として、携帯電話で監視カメラモードにすると、ゲームに戻れなくなった。また、TMD16(M4A1)がカバーリング中に何度かアクションしなくなるバグがあった。他、船の扉が閉まっているにもかかわらず通過した。0072総評として、手堅くプレーできる作品である。目新しい要素はないが、版権モノとしてはかなり高いクオリティーではなかろうか。シューティング、グラフィック、サウンド、どれも一定以上の水準を保っている。ボリュームを考えると、ちょっと物足りない気がするが、安くなったら買いだろう。CODのようなゲーム(開発元も同じなので)だが、あのような胡散臭さは感じず楽しめた。

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