Tron 2.0レビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

0483_p-21982年に公開され、CGを駆使した映画Tronの続編として製作されたゲーム。2.0と付してあるが、あくまで映画の続編という意味であり、このゲームの前作は存在しない。製作はNo One Lives ForeverシリーズやF.E.A.R.で有名なMonolith Productionで販売はBuena Vista Interactive。現在、Steamで購入が可能である。lithtech01アラン・ブラットレーは、先の映画にてプログラムであるトロンを製作した。そのコンピュータ内を牛耳っていたマスターコントロールプログラムに対し、ケビン・フリンという人物がデジタル化して戦いに挑むものであった。今回の主人公は、そのトロン製作者の息子であるジェット・ブラットレー。世界中のマシンのネットワークに侵入してそのデータを盗もうとするfConという会社の陰謀をを止めなければならない。lithtech15クリアーするのは難しくないが、ストーリーまで理解しようとなるとリスニング力は勿論コンピュータ用語まで理解する必要がある。この用語の使用頻度が予想以上に多く、英語版での理解はほぼお手上げ状態だった。ゲーム自体は、普通のFPSとほとんど変わりがないが、青龍さんも「このゲームでは呼び名や設定にコンピューター関連の用語が多く使われているし、またそれぞれの役割が擬人化されて用いられたりもする。よっていきなりプレイするとちょっと分かりにくい面もあって戸惑う人も多いだろう」仰っている。ストーリーの面であれゲームシステムの面であれ、逐一難しい用語に置き換えている。これはコンピューターの内部世界観を表現できるメリットであるが、一方でその手に詳しくなければ完全にゲームから置いていかれるデメリットでもある。lithtech12まず結論から述べておくが、このゲームはアクション性が高くない。SF色全開なので、高速のアクションFPSと誤解してしまうかもしれないが、そういうゲーム性を求める人にとってはお勧めできない。プレイヤーは、ディスクと呼ばれるフリスビーのような武器を与えられる。それはゲームを通して主力武器となるわけだが、かなり使い勝手が悪い。クリックで投擲、右クリックで防御を行うが、この防御は2秒程度のモーションである。そのため敵のディスク攻撃が当たる瞬間に防御するのだが、そのスピードが速すぎるため難しい。練習すればそれなりに上達すると思うが、それよりも壁に隠れていた方が安全だ。また投擲も、微妙にディスクが照準から逸れるので、遠距離の敵を狙うのは難しかった。さらに、1対1の勝負の場合は問題ないが、多数の敵を相手にする時にはディスクのみでは手に負えなくなる。というのも、ディスクを投げるとそれが戻ってくるまで攻撃手段はなくなり、それが遥か彼方に飛んでいくと5秒くらい無防備状態になる(右クリックで強制的に戻す)からだ。その間ガードも武器交換もできないので、ストレスがたまる。プレイヤーは打たれ弱いので一気にヘルスを削られる。そのためディスクは、少人数の接近戦しか使えない。

他にもいくつか武器が存在するが、これらは必ずエネルギーを消費する。このエネルギーは、ゲーム進行のためのスイッチ等をダウンロードするにも消費されるので、やたらめったら攻撃で無駄にするわけにはいかない。このエネルギー(及びヘルス)は球体からダウンロードが可能。lithtech10また、他のFPSで言うところのインプラントがある。このゲームではサブルーチンと呼称され、それらのプログラムを使って身体能力や武器を強化できる。初期はデフラグ、ウィルス除去、サブルーチン特定といったメンテナンスサブルーチンしか持ち合わせていないが、ゲーム進行と共にボックスから新しいものをダウンロード(敵が落とすこともある)して入手する。これらサブルーチンは戦闘系、アーマー系、ツール系と分類されているので、プレーの仕方に合わせて装備すればいいだろう。装備するに当たって、考慮しなければならないのは、サブルーチンの内側にあるシステムメモリである。ここの青い部分が使用不可メモリ、ブロックが表示されている箇所がフラグメモリ、黒い部分が空きメモリとなる。フラグメモリはデフラグツールを使えば使用可能になるので、これと空きメモリに好きなサブルーチンを組み込んでいく。各々、アルファー、ベータ、ゴールド版の順に空きメモリを占有する量が減って、また性能も増す。これらをアップデートするには、道中で上位バージョンを見つける(誤って下位バージョンを入れてしまう時もある)か、ロボット掃除機のようなCode Optimization Wareで任意のサブルーチンを使用する。注意すべき点は、数マップごとに空きメモリ・使用不可メモリがごっそり変わってしまうことだ。ボスや戦闘が激しいマップでは割と空きメモリが多く取ってあり、逆にパズルを解くマップでは数えるほどしか空きメモリがない。だが、このサブルーチンの入れ替えは自由で、好きな時好きなものを入れられる。そのため、戦闘が難しいなと感じたら、アーマー系のサブルーチンで固めたりできるので、かなり柔軟性が効く。BioShockの先例のようなシステムだが、こちらは補助的なプログラムが多いので、あのゲームほど万能という感覚はない。lithtech02プレイヤーのステータスを向上させることもできる。画面左上に「Jet v1.0.0」とあるが、このバージョンの一の位が繰り上がると、最大ヘルス値、最大エネルギー値などのパラメータにポイントを割り振ることができる。このバージョンアップは、基本的にマップをクリアーした時だが、Build Notesというアイテムを取得することでも可能。マップの隠されたところに置いてあることもあるので、いわばシークレットアイテムなのだろう。lithtech04映画にも登場していたライトサイクルというミニゲームについて説明しよう。闘技場でバイクに乗って戦うのだが、バイクに攻撃できる手段(アイテム取得で限定的に可能)を持ってはいない。高速で走るバイクの轍が壁になっていくので、そこに敵車両を追い込みつつ、ぶつけて破壊する。バイクは90度単位の直線しか動けず、後は速度を加速・減速させれるのみ。そのため袋小路にはまれば死亡が確実となる。自ら積極的に敵の行動範囲を狭めて破壊するのもいいが、AIは反則的な動きをすることがあるので、返り討ちに遭ってしまう。そのため、適当に流しておけばAI同士で潰しあったり自爆する場合もあるので、そちらの方が楽にクリアーできるだろう。lithtech07ゲームのシステムについては上記の通り。名称がややこしいものに変わっているが、ゲームの構造そのものは難しくない。マップをくまなく散策して、ヘルプファイルを読めば詰まらず進めれる。パズルも少なく、もっとあってもよかったのではと思う。lithtech09一方戦闘の難易度は、難しいほうだろう。先ほど述べたことに加え、敵の攻撃が正確無比で且つ即着弾するので、敵の攻撃を回避しながら、こちらの攻撃を当てることはできない。敵を倒すと、若干のエネルギーとヘルスを吸収できるのだが、それでも足りない。一応ヘルスは最大300まで底上げできるが、「戦闘の難しさ」は改善されない。ウィルス系の敵は、こちらのサブルーチンに感染して、能力の低下や無力化してくる。隣接してサブルーチンを組むと、瞬く間に感染が拡大していき、戦闘の苦戦は必須。ボスも雑魚敵の加勢があると途端に難易度は跳ね上がる。lithtech14ここまで読むと、相当難しい印象を与えてしまうので、少し断っておく。このゲームはステルスでも攻略できるようにしてあり、むしろそっちを推奨している気がする。単体としての敵は強力だが、マップに出現する敵の数は相当少ない。

クリアーまで15時間程度か。アクション性が高くないので、数時間遊ぶと飽きて止めてしまった。lithtech11敵はウィルスプログラムやスキャンプログラムなどが擬人化して襲ってくる。残念ながら種類が豊富とは言えず、どれも似たよった形で同じような攻撃パターン。AIはNOLF2と同じものが使われていると思う。きちんとカバーしたりアラームを鳴らしに行くようだ。こちらのディスクをしゃがんでやり過ごす仕草はあるが、ドッジングで回避したり撹乱するような動作はしない。壁に隠れると突っ込んでくるので、そこをディスクで粉砕すればよかった。lithtech13武器は基本的に4種類しかないが、サブルーチンにより各々2つのモードが追加するので、計12通りになる。ミニガンのような近距離から遠距離までカバーする万能な武器は存在せず、どれもあまり使い勝手が良くない。マシンガンのような銃火器は存在するが、収束性が著しく低く、近距離以外ではエネルギーの無駄になる。比較的まともなのがスナイパーで、これで敵を遠距離から狙い撃ち、やってきた敵をグレネードで粉砕する。一方、サブルーチンで強化したディスクも使えないこともないが、後半では力不足に感じる。1つだけ鬼のように強力な武器があるが、これはラスト直前で入手できる。アイテムはヘルスとエネルギー、およびパミッションと呼ばれる(いわゆる普通のFPSで言う)鍵。lithtech08マップの持つ独特な雰囲気こそがTron 2.0最大の魅力だろう。他のゲームでは体感できないような色合いである。黒と単色で塗りつぶされたシーンが多いが、決して奇抜であったり世界観台無しにするような色合いではない。発売からかなり経過しているが、他のゲームと比較しようがないため、劣化して見えないのが強み。

ただ欠点もあり、バリエーションにかなり気を使ったようではあるが、どれもこれも似たり寄ったりに感じてしまい、マップの雰囲気で起承転結がわかりにくかった。また敵が背景に溶け込んで狙いにくい時もあった。lithtech06エンジンはLithtech Jupiterエンジン。基本的にマップもモデリングも角ばったものが多いのが気になるが、こういう世界観なので問題ではないだろう。なんとなくアニメーションがNOLF2から劣化しているのは気のせいだろうか。lithtech05サウンドはあまり印象がない。武器エフェクトの迫力はないが、ゲームの世界観を考慮すれば、このような音が適していると思う。BGMも電子音的なリズムで、曲調がおとなしくプレイヤーに主張してこない。他のゲームでは聞けないような曲ばかりである。声優も問題ないが、プログラムの声にエフェクト掛かって聞きづらいかもしれない(字幕はあるが)。

私の環境では、起動しない時があったり、ゲーム中サウンドが一切出力されなくなる現象が発生した。いずれも原因は不明だが、PCを再起動すると直る。lithtech03総評として、アクション系FPSを好む私には、そこまで面白いとは思えなかったが、独特の世界観は見応えがあった。安くなっているので、その世界観に興味があれば買ってもいいかもしれない。逆にその世界観に興味もないなら、パスして良い。とっつきにくいのは見た目だけなので是非プレーしてもらいたい。

広告
カテゴリー: FPS パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中