Starlancerレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

0100_p2001年Digital Anvill開発、MicroSoft販売のスペースコンバットシム。古典的作品Wing Commanderのクリス・ロバーツが携わったゲームとして有名である。現在、リテール版が残っているだけで、ダウンロード販売は見かけなかった。LANCER02ストーリーは唐突かもしれない。いきなり連合軍と同盟軍の停戦調印式から始まり、それが連合軍の策略によって同盟軍は窮地に陥る。プレイヤーは、リライアントという母艦に乗り込んだ時点で初めて「同盟軍に雇用されたパイロット」とわかる。そして瀕死の同盟軍を救うべく奮闘していく。個人的にキャラクターや情報量が多すぎた。部隊内の各パイロットにも個性があるが、飛行中以外では話す機会がないし、ヘルメットを被っているとキャラクターの顔がわかりにくい。そのため、はっきり人物を覚えるのは女性隊長ぐらいだろう。プレイヤーはいわゆるゴードン・フリーマンのように匿名性が高く、指示を出さない限り決して喋らない。ミッション中の会話は、自分が属する飛行隊のリーダーと誰かで、プレイヤーと喋るシーンは殆どない。私がプレーしたのは完全日本語版だったので、英語版における英語の難しさは不明。ただ日本語版の内容から考えると、ドックファイトをしながらリスニングを行うのは難しそうだ。LANCER12交易や探検など、自由がある箱庭系スペースコンバットシムと異なり、このゲームはミッションベースに進む。ゲームが始まると、プレイヤーの自室から始まるが、ここで情報を得たり、ニュースを閲覧したり、CDを聞いたりできる。ミッションを始めるにはブリーフィングルームへ行き、そこで具体的な内容を聞き、機体及び武装の選択をし、そして出撃となる。LANCER06ゲームは1本道シナリオのシューティングなので、あまり特筆すべき点はないが、ミッションの内容が分岐する。分岐と言っても、後のシナリオが大きく変わるようなものではなく、同ミッションにおける次のイベントやデブリーフィング内容が変わってくる程度である。例えば、とあるステーションを奇襲する途中、敵の偵察部隊と会敵してしまい、時間内にその部隊を全滅させないと逃げてしまう。そうすると敵にこちらの情報が伝わって、そのステーションに増援が付いてしまう。これらの分岐は1つのミッションでもいくつもあり、全部比べるのは難しい。LANCER03この分岐は、ミッションの合否にも関係してくる。ミッションが失敗しても(もしくは機体が撃破されポッドで脱出、救難艦に回収される)退却という形でゲームは続けられ、次のミッションに進むことが可能である。もちろんデブリーフィングでは辛辣な報告を受け、それが何度も続くと左遷という形でゲームオーバーとなる。他にも、友軍機を撃墜すれば銃殺刑のムービーとなり、母艦が撃墜されれば友軍艦で左遷を命じられるムービーが流れる。他のゲームであれば、ミッションの主要目標が失敗すれば、即ゲームオーバーでロード画面に飛ばされるだけある。それゆえ、分岐やパターンの多さに感心しつつ、プレイヤーをゲームから引き離させないという製作者の作り込みを感じた。主人公が所属するのは第45義勇飛行隊というのだが、これが途中タイガー隊となる。その変更の際、ウィングマンのヘルメットに虎の目の模様が描かれたり、機体に虎の柄がマーキングされる。プレーには関係ないが、製作者のこだわりを感じられる。

機体操作のもどかしさもひっくるめて、ミッションは基本的に難しい。LongWalkerさんも言及しておられるが、特に護衛ミッションが忌々しいほど難しいだろう。大型艦やステーションを破壊するため、雷撃機であるガンマ飛行隊を護衛するミッションがいくつかあるが、彼らが敵と接触すると、ものの20秒で全滅する。プレイヤーが属する友軍機は護衛をせず、敵を追うことしか能がない。またプレイヤーがいくら奮闘しようと所詮1機しか相手にできない(ミサイルロックに数秒かかる)。そのためクリアーは運任せになるかもしれないし、なぜクリアーできたのかもわからないかもしれない。他にもトラップ染みた敵機の出現で、護衛すべき目標が一瞬で鉄くずと化して萎えた。尚、機体はダメージを追うことに性能が低下するので、ますます難易度が高くなる。ブースターは回復しないため、使い切ってしまうと敵のロックオン回避ができず一気に撃墜されることもある。LANCER04また、ミッション途中でセーブができないのも難しさを助長している。そのため全ミッションの分岐を全部ベストでクリアーしたいと思うなら、何度もやり直さなければならない。そうでなくてもミッションの主目標に失敗したり、友軍機を誤って撃墜すれば即やり直しとなる。これはかなり問題と感じ、ミッションの半分あたりでチェックポイントセーブを入れてもよかったのではないかと思う。

それに加え、ゲーム中バグや不慮の事故でゲームオーバーになると憤慨してしまう。「施設の爆破に巻き込まれて死亡」などは、殺されてから初めてわかる。印象が悪かったのが、敵の雷撃機に乗り込むミッションと最終ミッション。そこで何度もやり直しをさせられ辟易した。プレー中挿入されるムービーもスキップできないので、やり直しの面倒くささを助長している。LANCER05「とても難しい」と「理不尽に難しい」は、別ものと認知して欲しい。特に最終ミッションは理不尽で、ゲームの評価が下がってしまった。「長いミッション中セーブが一切できないし、ムービーもスキップ不可」と「不慮の死がある覚えゲー」という組み合わせでも、難易度が高くなければ問題にならない。だが、「友軍機が宇宙の彼方に行ってしまい、護るべき機体に張り付いてくれない」「その護るべき機体は敵襲によって数秒で全滅し、クリアーが頓挫する」というバグも加わると理不尽に感じる。それに「自機を一撃粉砕する正確無比なイオン砲が狙っており、それを回避するためステルス機能を使うが、そうすると逆に敵機を攻撃できなくなる」という状況になると、文字通り八方塞なのである。護衛すべき目標が次々と粉砕されていくのを、指を咥えながら見ていることしかできず、しかも失敗のデブリーフィングでは全責任をプレイヤーに押し付けられるので、たまったものじゃなかった。結局この最終ミッションは何度も最初からやり直し、クリアーまで5・6時間ぐらい費やしたと思う。LANCER07操作には、ジョイスティック乃至ゲームパッドが必須である。というのも、フリーランサーのようにマウスをサポートしていないため、コントローラーがなければキーボードで機体を操作することになる。これがまた困難で、いかにマウスによるポインティングが楽であったか痛感する。十字キーによる照準もできるとは思うが、敵機1機を撃墜する所用時間が増大すること請負である。そのため、敵機を次々と片付ける護衛ミッションなどは難しさに拍車がかかるだろう。私はマイクロソフトのSide Winder dual StrikeというFPS用のゲームパットでプレーした。これは機首方向を変える軸(FPSでいう視点移動)が2つ付いていたのでスペースコンバットシムでも流用できたが、ロールができなくて困った時もあった。やはり3軸あるジョイスティックでプレーした方がいいだろう。

操作もフリーランサーと比べて複雑だし、覚えるべきことも多い。実践に出る前にチュートリアルをプレーすべきだが、これはいわゆる「詰め込み教育」である。次から次に新しいことを叩き込むので、2回ぐらいやり直したほうが賢明かもしれない。

総プレー時間は30時間程度。いい結果が残したくて何度もやり直した。LANCER09敵は連合軍と呼称されているが、実質はソ連軍(一応中東勢力がいるが)。

逃げ回るAIはよくできているのではないか。AI同士の戦いは、なんというか間延びしたように直線的な動きをやっている(多分PCの負荷を抑えるため)が、敵AIがプレイヤーから攻撃を受けていると認知すると、途端に照準をかく乱するような巧みな挙動になる。またAIにも熟練度というものがあるようで、一般兵とエースでは全然動きが違う。エースがステルス機に乗ると、撃墜は至難の業となる。味方AIは敵に比べて弱い。これは製作者の設定なのか、単に機体性能の差か物量の差と思う。味方に指示出しができるが、忠実に従わないようで役に立たない。他にもコマンドとして応援を要請することができるが、大抵拒否されて、実行できたのは1回のみ。LANCER01変わった武器は存在しないが、一部の機体で実弾兵器を搭載しているものもあった。また、コ・パイロット用の後部タレットを搭載している機体があるが、これは実際に射撃するのか(タレット自体は動く)わからない。ミサイルのロックは4、5秒かかるようで、ちょっと長すぎる(後半は2、3秒程度)。ミサイルロックする際、小さなブロックがゴチャゴチャして目障りに感じた。シールドは前後だけで十分で、左右まで要らないのではなかろうか。そのシールドの回復スピードは速く、へまをしなければ無傷でクリアーも難しくない。これは敵もそうなので、チマチマ攻撃を当てているだけでは、船体にダメージを与えれず延々と戦う羽目になる。回復アイテムなどはなし。LANCER10マップは単調である。戦闘に熱中してもらいたいという製作者の意図なのか、電磁波嵐やアステロイドベルトのようなバラエティーは存在しない。背景に大きく土星が映えるマップが印象的だったが、あとは文字通り何も無い空間という表現がぴったりの宇宙。LANCER082001年とあって、グラフィックはかなり年期が入っている。エフェクトもモデリングも、現在から見れば過去の遺物としか思えないだろう。機体のデザインもゴテゴテしてあまり好みではなかった。

サウンドは中々良好である。敵機がキャノピー前を掠めていく音がたまらない。BGMもスペースオペラ風で雰囲気が出ているが、耳に残ったのはない。日本語吹き替えも、日曜洋画劇場のようで違和感はないが、ウィングマンの声はどれも同じ。きっと声優の頭数を揃えれなかったのだろう。

私の環境で発生した不具合として、3Dサウンドをオンにするとクラッシュするエラーが頻発する。それらを切ることで、発生の頻度は下がるようだ。しかし3Dサウンドなしで戦うと、リアスピーカーの意味がなくなり、折角のサラウンドが台無しになってしまう。パッチは出ていないようだ。また、かなり昔のゲームなので、XPおよびVistaはサポート外だが、少なくとも私の環境でプレー可能だった。

バグではないが、しばし敵戦闘機が遥か彼方に行ってしまって、戦闘が終了せずイベントフラグが立たない。おかしいと思った場合は「次の敵をターゲット」ボタンを押して探してみるといい。他にも、敵機を夢中で追い回している時、急にボロボロの友軍機が視界を横切り撃墜、即刻ミッション中断になって唖然とした。LANCER11総評として、ストーリーが「窮地から、反攻に転じバンザーイ!」という単調なもので済まさず、きちんと戦友達の死を描写したことで重みが出ていた。それに加え、完全日本語と分岐システムのお陰で、ゲームにかなりの没入度がある。一部のミッションの難易度が高すぎる気もするが、やりこむ要素でもあり、それらをひっくるめても面白いゲーム。

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