Codename Outbreakレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

371313_frontGSC Game Worldによって開発され、2001年Virgin Interactiveから発売されたタクティカル系FPS。日本ではZooから完全日本語版が出ていたが、これは既に絶盤になっている。現在、英語版は米国アマゾンでリテール版が残っているが、ダウンロード販売は見かけない。

co22012年、巨大彗星が地球を掠め、その破片が地球各地に激突する。その中には、エイリアンの胞子が混じっており、急速に地球に適応、繁殖し始めた。このエイリアンは人間に寄生し、その意識を完全に乗っ取ってしまう。プレイヤーは対エイリアン部隊として結成されたC-Forceの一員として、人間を乗っ取ったエイリアンの野望を阻止しなければならない。

完全日本語版でプレー。ミッション目標は明記され、またどこに行くべきかマーカーがつく。そのためクリアーのために英語力はそれほど必要ないだろう。司令部からの音声指示やミッション中に収集した物も、きちんとログが残る。

結論から言うと、これは非常に地味なゲームで、私のような「出てくる敵を、片っ端から撃ち殺しながら進んでいく」FPSを好む人の受けは悪いだろう。アクション系とタクティカル系を折半したセミタクティカルで、ステルスでもランボーでもプレー可能な柔軟性を持っているが、人によってはどっちつかずで、慣れるまで時間を要するかもしれない。co1ミッションブリーフィングに入ると、能力が異なる隊員2名とその装備(重量制限があり、武器、弾薬、アーマーなどを選択)を決定する。ゲームは例外なく2人で行動し、片方はAIが担当するが、プレイヤーは任意に切り替えが可能。ミッションをクリアーすると能力が上昇するが、片方が死亡した状態でクリアーすると、そのキャラは以後一切使用不可能。隊員は全部で6人いるが、不足分が補充されるのかは不明(1人殺されたが、補充されず)。

ミッションは、昼か夜かのどちらに決行するか選択可能(ただしアウトドアのみ)。試しに夜でプレーしてみたが、ナイトビジョンを使用すると背景が黒と緑に潰れてしまい、距離感が狂ってしまう。これだとスナイパータワーの脅威が増して、余計難しくなった。また明るい場所に行けば、完全に視界は緑で飛び、ナイトビジョンを切り替える物臭も出てくる。確かに敵は赤く表示され、そのAIの視認性も下がっているが、プレイヤーの視認性もその分下がっているため、昼の方がプレーしやすいのではないか。

このゲームは、S.T.A.L.K.E.R.の雛形というべきゲームなので、移動の感覚はかなり似通っている。移動速度は遅くはないが、しゃがみ移動や匍匐はかなり鈍足で、不満に感じた。ダメージはかなり大きく、また被弾すると一瞬硬直するので、マップの敵全員と正面切って戦うのは難しいだろう。少し高いところから落下してもダメージが加算されるので、あまり無茶はできない。

射撃は、各弾丸の速度が異なるため、それぞれの癖を知っておかなければならない。遠距離の偏差射撃はかなり難しい。ステルスでよく使用するのはレーザーだろう。これは全く音がしないし、目の前を光線が横切ろうが敵兵は気づかない優れ物である。しかし、40メーター以上は無力化し、再チャージにしばらく時間が掛かる欠点を持つ。co6アウトドアが基本だが、施設などのインドアにも入る。アウトドアはOperation Flash PointやFar Cryに比べれば小さい方だが、それでもプレイヤーが色々戦略を練るに足りうる広さを持っている。正面から堂々と突っ込んでいこうが、できるだけ敵を回避しようが、高台から撃ち抜いていこうが、どれを取っても構わない。プレイヤーの武器となる汎用攻撃ライフルは、高倍率スコープを標準装備しており、また発砲の反動で銃身が跳ね上がる仕様の為、主に遠距離からバーストで撃ち合う(もしくは狙撃)プレーとなる。そのため爽快感はないに等しい。成虫型エイリアンは毒を吐きながら突っ込んでくるため、動き回りながら撃ちまくることになる。しかし出血の描写がかなり小さいため、弾が当たっているのかわかり難い。また、味方AIを最大に利用して、ダメージを最小限にしながら進めていく必要もある。これらの攻略の試行錯誤を楽しいと感じるか面倒くさいと感じるかはプレイヤー次第だろう。味方AIには「追従/突撃」「発砲許可/禁止」の指示が出せるが、単独の移動はプレイヤー自身が行わなければならない。1人は炉端、もう1人は高台からという風に大胆に切り離して攻略させるのも一興だが、「2人ともに目標地点に到達」という足枷で、各々を目標地点まで移動させる物臭が出てくる。別々に行動させるよりも、連れて歩いた方が時間的無駄は少ないだろう。

インドア(特にミッション3)は必然的に接近戦になるが、やたらめったら銃声を轟かしては不利になるので、賢い戦い方が必要だ。最初はどう戦えば良いのか全くわからず、ひたすら待ち伏せして、出てくる敵を蜂の巣にしていた。どうも電灯などの光源を破壊して(壊せるオブジェクトとわかりづらい)、敵AIの視認性を下げ、1人1人レーザーで暗殺していくのが好ましいようだ。co3全てのミッションはかなり地味で、演出のような起伏もなく淡々と進む。トラップやジャンプアクションもなく、目的地に進んでコンピュータを作動する単純なものが殆ど。ボスらしいボスも存在しないので、クリアーしても達成感や余韻が残らなかった。co4私の場合、まずどう攻略するのか慣れが必要だった。難易度はノーマルでプレーしたが、敵を1人倒せば即クイックセーブ、騒ぎ出せば即クイックロードと、あまり人に誇れないプレーだった。難易度は序盤の方が高く、体験版に収録されているミッション6が一番難しいのではないか。道を巡視する敵小隊、野を駆け回るエイリアン、視界の広いスナイパー、橋に鎮座する戦車、巧妙に隠されたトーチカなど、このゲームらしさが凝縮されている。ミッション8まで相当苦戦したが、それ以降は(やっと慣れたのか)割とスムーズに進めた。ミッション13では、いやらしい場所にスナイパーや擲弾兵が隠れており、もう慎重に進めるのが面倒になったので、「わざと撃たれるよう突っ走る→実際に撃たれて敵兵を確認→即クイックロード→今度は先制攻撃」という姑息な戦法で終わらせた。co51ミッションに非常に時間が掛かったため、計20時間ほどプレーしたのではなかろうか。特にプレーに慣れてない序盤は1つを終わらせるだけでもヘトヘトになった。co7敵は寄生された人間、装甲兵器、エイリアンの3種類いる。しかしその内訳の8割が人間なので、あまりSFらしい雰囲気を感じない。寧ろ、普通の路肩などにエイリアンやその卵があるので、浮いた存在にさえ思える。強敵はやはり装甲兵器で、主砲が直撃すると木っ端微塵となってしまう。移動や認識力に制限があるので、OFPのような凶悪さはないものの、できるなら見過ごしたい相手である。エイリアンは幼虫、成虫の2種類いるが、幼虫は小さく、飛び回って食らい付いてくる。強いというより、攻撃が当て難く、無駄弾が出てしまう。成虫はとにかくタフで、接近戦になること間違いなし。毒を受けると解毒剤を打って回復する必要(味方AIはこれら回復作業をしない)がある。

このゲームの最も優秀な点は、AIのアルゴリズムだろう。発売からかなり経つが、このゲームに達している物は多くない。従来のFPSでリアリティーに欠けると看做されていた点、および不問とされていた問題点が、完璧ではないにしろ改善されている。今一つ言えば、人間らしく視覚や聴覚を元に行動しているのである。例えば、後ろにも目があるような認識力はなく、列になっている敵AIを後ろから狙撃していけば、前のAIは全く気づかない。また直ぐ隣の部屋で銃撃戦を繰り広げているのに、のほほんと警備を続けていることもなく、きちんと騒音を調べに来る。部屋の明るさやプレイヤーの姿勢によっても敵の認識力は大きく変わってくる。また今でも理不尽な問題となっている「攻撃を受けると途端にこちらの位置を把握する」「死体の傍を通ってもなんら怪しまない」という点にも、警戒して周囲を索敵し始めたり、仲間を呼ぶ行動をとる。一番感心した点は、障害物を乗り越えてダクトの中に入ってきたり、下の階から長い梯子を登って来る行動力。一部半端な場所で停止して妙だなと思ったこともあったが、基本的にスタック等はせず主体的に動いてくる。プレイヤーを発見した場合も、アホの子のように銃を乱射しながら突っ込んでくる行動はせず、姿勢を変えて被弾面積を少なくして戦おうとする。こちらを見失った場合は積極的に捜索に来るので、その習性を利用して、騒音を立てて待ち伏せという戦い方もある。AIの認識距離には差があるようで、特にスパイパータワーは走りながら接近すると、かなりの距離から発見される。ステルス迷彩を稼動させて走っても、全く効能が無く、切っても3秒間武器が使用不可なので、かなり使い勝手が悪い。しかし、しゃがんだりカモを着た状態の匍匐だと、敵兵に目の前を歩かれようが気づかないこともあるので、この辺に極端な差を感じた。個人的にはステルスの目安となるメーターが欲しかった。

味方AIの移動パスには少々悩まされるが、致命的な点はない。能力が上がれば、認識能力や射撃能力が格段に向上し、遠くにいる保護色の敵も簡単に発見してくれる。また味方AIは、プレイヤーの画面に入った敵も知らせてくれる。このAIと同時射撃も可能になっており、これは中々面白い。敵は大抵数人で行動しているため、プレイヤーとAIが別々の敵を同時に排除しなければならない。あまり戦闘が長引くと、他の敵が察知してしまうので、至近距離のレーザーで瞬殺する方法が好ましい。不満な点は、発砲を許可すると後先考えなく撃ちまくり、指定した敵のみ発砲を許可できない。例えば指定した敵小隊を全滅させても、遠くのエイリアンを認識してれば、それまで発砲する。co8武器は一丁のライフルにショットガンやらロケットランチャーやらレーザーやら、何でも搭載している汎用攻撃ライフルを持つ。ナンバリングが上がるごとに多機能武器となるが、メインのオートガンの連射速度が低下し、また重くなる。体験版が出た当時でさえ「こんな無茶な武器ないだろ…」と失笑したが、今見ると余計に違和感を感じる。まあ設定は兎も角、狙撃中心のゲームであるため、1人(マリーンかデモリッシャー)は対装甲用にランチャーが付いた物を持って、もう1人(スナイパー)はE-M弾(狙撃)、ロケット弾、その他のアイテム運搬のため、M-36を持った方が良いかもしれない。主に使用するのは、オートガン、スナイパー、レーザー、ロケット(Fでロックオン)で、他は使いづらかったり、弾がなかったり、敢えて使う必要のない物と感じた。アーマーはノーマルのバリアスーツとより重装甲のセラフィムスーツがある。無論後者の方が防御力を持っているが、その分重量もかさばるので、携帯する弾薬を相当削らないといけない。アーマー値は、壁に掛かっているリチャージャー(これがわかり難い)さえあれば、いくらでも回復できるのだが、これはダメージ緩衝というより、光学迷彩のエネルギーと看做した方がいい。

アイテムは各種弾薬、ヘルス(かなり稀なので、必ずミッション前に携帯すること)、アクセスカードから、情報アイテム、現金、ビールなど明らかに不要なものも。

これらはインベントリーで管理できるが、隊員同士は直接やり取りできない(一度地面に捨てて、別の隊員がそれを拾う)ので不都合に感じた。死んだ隊員の武器と、自分のそれを交換することは可能だが、アーマーは不可能。また敵の死体やロッカーからも弾薬を入手できるが、オートガン(敵スナイパーはE-M弾)しか持ってないことが大半である。

マップは全部で14つあるが、山間や密林など、森林色カラーのアーマーを選ぶ。次に都会色アーマーを選ぶ機会が多く、砂漠は1マップしか存在しない。特に印象的だったステージはないが、敢えて挙げるとすればラストか。

co9グラフィックエンジンはVital Engineで、広いアウトドアを低負荷で描写している。これがアウトドア系エンジンの走りだったら称賛してもよかったが、既にSerious SamやOFPが世に出ていたので、特にすごいなとは感じなかった。色合いはベトコンのように汚らしいジャングルではなく、Samのようなカラフルでもないし、相当地味な印象。インドアも及第点以下で、マップ構造も当時リリースされたゲームと比較して単純。他、モデリングが酷く、人物、機械問わず妙にゴテゴテしていて無骨。視覚エフェクトも相当地味。ミサイルが直撃すると人体はバラバラになるが、出血描写は目を皿にしないとわからなくて、シューティング性を大きく損ねている。

サウンドはEAXに対応。定位感は良好だったが、反響音はいまいち。銃火器エフェクトも及第点レベルで、迫力はない。BGMは、敵に発見された時のみ鳴り、種類も2つ(タイトル画面の含めて)だけ。音声は字幕が表示されるので問題は無い。

最新のグラフィックドライバーで動かすと、クラッシュが頻発していたので、Forcewareを93台まで落としてプレーした。最終パッチv2.1を当てたが、不安定という印象は否めない。味方AIがきちんとついてこない点がよく見られた。その他、空母の内部に落ちたり、建物の壁にスタックしてしまうこともあった。ミッションの開始時に、視点と操作が別々になってしまう現象(視点はA隊員だが、キーを押すとB隊員が動く)も。ミッション10で、将校の乗ったヘリを破壊するのだが、ロケットで破壊すると、クラッシュしてしまった。クイックセーブをすると突如クラッシュ、再起動し先ほどのクイックセーブをロードしようとすると、データが破損していてロード不可能という事態があり閉口した。そのためクイックセーブばかりでなく、時々通常のセーブもしたほうがいい。

後これはバグでは無いが、左下に時々フロッピーディスクがちらついて目障りに感じた。他、ゲーム画面をパッと見て、腕に表示されている2つの数字のうち、どっちがヘルスなのかアーマーなのかわからない。右クリックでズームインすると画面左下に表示されるので、それで照合確認する。

XPで起動してみたが、互換モードにしなくても普通にプレー可能。私のPC環境の都合で、メモリ512Mでプレーしたが、これでも快適に動いた。

co10総評として、AIと多彩な戦略は良かったものの、銃撃戦と演出が地味である。またセミタクティカルという半端さも個人的に鼻に付いた。私のような短気には向かず、ゾウガメのように一歩一歩進めていくプレイヤーにはお勧めである。

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