Darkstar Oneレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

930194_70524_frontFPSゲーマーにはあまり縁がないゲームメーカー、Ascaronによる2006年のスペースコンバットシム。現在、Steamで購入できる。DarkStarOne01テラン(人類)とモルトックの不和により、全種族を巻き込んだ宇宙戦争が勃発する。その戦争は誰も勝利する者なく終息し、2度とそのような惨禍が起こらぬよう宇宙連合が設立される。だが、それに加盟しなかったスールは全種から淘汰されてしまい、そのまま宇宙の彼方で沈黙を守り続けていた。プレイヤーはケイロン・ジャービスで、彼は最近のスールの攻撃により父親を失ってしまう。しかしその死が陰謀であることを知ったケイロンは、その真相を知る人物を追いかけることになる。

このストーリーの出来に関してはちょっと微妙かなぁと感じた。「父親の死」のヒントを探すため数人に会うのだが、その人物は大抵問題を抱えており、それをプレイヤーが解決すると急に好意的になり、ケイロンにヒントを教える。そしてまた違う人物に会うよう指示を出し、その人物も…という繰り返しだった。ストーリーが展開し始めるのは終盤あたりで、そこでスールの攻撃と父親の死がつながっていたことがわかってくる。最後の最後で物語が急展開し、「今までのフリは一体なんだったんだよ。」と呆れてしまった。

ゲーム内およびムービーに字幕表示が可能。ただ、ムービーでの字幕の表示が遅く、会話についていけない部分がある。会話の量はそこそこあるが、そこまで難しいとは思わなかった。ただ、ストーリーは「あいつに会え。」「ここに行け。」の連続で、今までの内容を忘れてしまうかもしれない。一応、ストーリーの大まかな流れは、ログにメッセージの形で残るので、そこを参照すれば良いだろう。DarkStarOne02このゲームの独自の要素は、ダークスターワンと呼ばれる自機を改良していくことだ。そのため、進行と共に機体を乗り換えていくことはできない。改良は、宇宙に点在するアーティファクトを回収することで可能になり、どれだけ集めるかはプレイヤーによる。改良できる箇所は船体、翼、エンジンの3つに別けられ、どこを改良するかで能力の異なった機体になる。私の場合、船体中心に改良したので、タレットを5門も搭載する機体となった。このタレットは自動射撃するので、積めば積むほど次々と敵機を撃墜していく。見た目も初期の軽戦闘機から、ごつい砲艇のように変わってくる。またこの改良は、性能と同時にプラズマキャノンにも関係してくる。キャノンというと火砲か何かを想像してしまうが、この場合は特殊能力と考えたらいいだろう。武器ブースト、プラズマシールドなど、各能力を上げていくと次の能力がアンロックされる。また改良は武器レベルや技術レベルにも関係してくるので、改良を怠ると特定レベル以上の装備は不可能になる。同様に、装備できる武器の数やアイテムスロット数などにも影響してくる。

ゲーム性はFreelancerに似ていて、宇宙空間の中でメインミッション及びフリーミッションをこなしていく。あのゲームとは異なって、レベルを上げないと(金を集める)次のメインミッションが受けられないという制限はないが、フリーミッションをこなさずに(つまり、金を集めて船体をアップグレードせずに)メインミッションだけを達成するのは無理だろう。

金を集める方法としては、フリーミッション、密輸を含む交易、海賊狩り、海賊行為などがある。追って順にフリーミッションから説明しよう。各惑星系には交易ステーションが存在し、その中のターミナルで仕事を請けることができる。その内容は「どこそこに行って海賊を蹴散らす」「どこそこに設置された衛星を破壊する」というお決まりのものから、「研究ステーションの会話を傍聴する」「積荷を受けて、何処其処に持っていく」「宇宙から交易ステーションを写真で取る」「貨物船が交易ステーションに到達する前に撃沈する」など、割とバリエーションがある。DarkStarOne06他に、貨物船の護衛も可能だ。プレイヤーがいる交易ステーションには絶えず貨物船がリアルタイムで行き来している。これらの船がステーションに到着し、取引を終え、今まさに船出をしようという時にプレイヤーは護衛を申し出る事が出来るのだ。もちろんプレイヤーは、その貨物船の目的地である惑星系をアンロックして、しかも自機のハイパージャンプ範囲内に入っていなければならない。護衛を引き受けると、他の護衛機と共に自動的に編隊を組み、目的の惑星系までジャンプする。そして、交易ステーションまで貨物船の安全を確保しなければならない。途中お約束のように海賊が襲い掛かってくることもあるが、運がよければ何事もなく済むので、楽して金を得ることになる。DarkStarOne05次に交易。「どこそこのある商品で買って、別の場所で売ったときの差分で利益を上げる」というのは誰でも知っているだろう。各惑星系には農業や工業など得意分野があって、それを輸出品としている。プレイヤーは基本的にこの輸出品を買って別の場所で売ることになる。このゲームで凄いのは、実際に経済が動いていることだろう。交易画面では、各品物のストック量が刻々と変化し、また「海賊活動で奢侈品が高騰している」「現地鉱山が現在も順調に掘り勧められ、鉱物が下落中」などのアナウンスの通り、実際に品物が際立って不足したり余っていたりする。例えばパンのストックが0で、需要が極端に高まっているステーションに300トンほど売ってみると、即刻そのストックも消費されてしまう。しかも宇宙に行きかう貨物船は単なる飾りではなく、ステーションに着くと、積荷を降ろしたり揚げたりしていて、それが実際に数字に影響しているようだ。海賊に占領された惑星系は、交易が不可能になっているので、輸出品以外は何もかも不足している。プレイヤーがそこに向かって、海賊どもを蹴散らすと、惑星系は解放され、他の貨物船も行き来が可能になる。解放した時点では、極端に物が不足高騰しているが、次第に貨物船も集まり始め、需要と供給のバランスが取れ始めるようになる。このような「生きている経済」をダイレクトに感じることができるだろう。

密輸は説明する必要も無いと思う。注意しなければならないのは、惑星系の政治形態によって違法品が異なってくるため、事前に目的地の違法品をチェックしておかなければならない。警察船のスキャンを受ける(スキャンジャマーを積めば摘発の可能性が減る)と、即刻犯罪ポイント(支払いで帳消し可能)と攻撃を受ける。だが、交易ステーションに逃げ込めば勝ちなので、それほど犯罪を犯しているという感覚や高揚感はない。DarkStarOne10海賊狩りは、その名の通りバウンティーハンティングだ。航行中迫ってくる海賊を蹴散らすと、報酬が手に入る。他、交易ステーションのターミナルから海賊のアジトを割り出して殴り込むことも可能。根こそぎ駆逐することで大きな報酬と特別なアイテムを入手する。海賊に占領された惑星系を解放することは先に述べたが、それによって莫大な報酬と船体アップグレードに必要なアーティファクトを入手できる。

逆に海賊行為もできるが、どうやらこれは「他人のものを盗む」ことを指すらしい。航行中の貨物船を襲って貨物を略奪するのは勿論だが、巨大隕石内部においてあるコンテナを盗むことも海賊行為に当たる。ただ、海賊の攻撃を受けた貨物船から落ちた積荷を回収しても特にペナルティーはないようだ。しかし海賊行為は基本的に警察当局やバウンティーハンターと敵対するので、あまり勧められた方法ではない。

一般的なスペースコンバットシムにありがちな評判システムは、勿論このゲームに存在する。このゲームの場合、特定の種族、組織からの評判ではなく、「密輸」「バウンティーハンティング」「交易」などのプレイヤーの行為の評判と言った方が適当かもしれない。つまり密輸ばかりやると、警察はよりダークスターワンをスキャンする傾向になり、一方で交易の評判を上げれば、各惑星系の輸出品をより廉価に購入することが可能となる。

このゲームで残念なのは、終始ゲーム性が単調なことだ。序盤で交易やフリーミッションを遊びつくしてしまうと、後半それら金稼ぎの手段は単なるルーチンワークでしかなく、非常に苦痛になる。他、メインミッションとフリーミッション以外に、サイドミッションという仕事がある。これは単発のメインミッションのようなものだが、それを受けるには各クラスター内の交易ステーションを飛び回って依頼主を探さないといけない。そのため何回もハイパージャンプをする羽目になるので、後半はうんざりして止めてしまった。DarkStarOne08肝心なメインミッションもそこまで面白いというわけではなく、むしろお使いばかりさせられた印象がある。中にはイベント的な戦闘もあったが、それらも大して面白いとは感じなかった。私は、ストーリー上スールの領土に行けばゲーム性は劇的に変わるだろうと思っていたが、今までのものと全く変わらずがっかりした。結局最後まで同じ事をやらされて、その最後の戦闘も特に盛り上がらず終了する。正直1/3ぐらいゲームを進めた所辺りで飽き始め、最後はアーティファクトや隠された惑星系などは完全に無視してゲームを進めた。

船体操作は、チュートリアルで親切丁寧に教えてくれる。覚えるべきことも少なく、特殊な動作は交易コンテナを切り離したりする作業ぐらいか。戦闘はフリーランサーほどスピーディーではないが、テンポよくドックファイトが楽しめる。

船体アップグレードをどれくらいマメにやるかで難易度は異なってくるだろう。私は終盤まで可能な限り集めて回り、相当なシールドを得たので、終盤でも難しいとは思わなかった。他のゲームに漏れず、1対多数には苦戦する。敵は的確にレーザーを叩き込んでくるし、ミサイルはシールドの1/5を持っていかれる。プラズマシールドなどを発動しない状態では、正面会敵時にシールドを一気にかき消される可能性がある。そのため後半は防御系のプラズマキャノンをよく使用した。ミサイルは切り札と言う感じで、相当強力だ。近距離で撃ってしまうと自機まで巻き添えを食らって死んでしまう。また対艦魚雷も相当強力なので、対艦戦闘も他のゲームと比べて難しくない。

どれだけ交易やフリーミッションを遊んで、特殊なミッションを探して回るかによって変わってくる。私の場合は35時間ほどか。DarkStarOne12このゲームは種族間戦争ではないので、人類が一致団結して戦う明確な敵は用意されていない。プレイヤーはストーリー上色々な仕事を引き受けるが、そこで宗教的熱狂者などの間に合わせの敵を潰すぐらい。明らかな敵は海賊ぐらいだろう。一応スール種という見えない脅威があるものの、(海賊に属するスールを除き)彼らは終盤しか出てこないし、その扱いにもがっかりした。

機体は各種族に数種類程度しか登場しないようで、バリエーションに欠ける。AIの射撃は正確である。タレットを搭載している機体が多いので、単純な動きだとずっと撃たれ続ける。DarkStarOne03DarkStarOne04機体を乗り換えることができないので、新鮮味が薄い。また武器も少なく、メインのレーザー武器も6種類程度(レベルの違いはあるが)しかない。ミサイルの種類にいたっては3つのみ。アイテムは、警察の違法品スキャンを妨害するジャマーや機体回復用のナノボットなどかなり種類があるが、装備できるスロット数は決まっている。アップデートで高レベルの武器アイテムが装備可能になるが、そんな頻繁にアップデートできないし、武器の種類も少ないので、実質選択肢は決まっている。機体の装備を逐一考えるのは面倒と思う人にとっては都合いいかもしれないが、ちょっとそっけなさ過ぎると感じた。その武器やアイテムは高価で、日頃金稼ぎに精を出しておかないと、まともに新品を揃えれない。DarkStarOne07マップのバリエーションは非常に残念である。行き来できる惑星系は300以上あるが、どこも同じような構造になっており、終盤では飽きてしまうだろう。色合いやちょっとした構造は異なるが、基本的にどこもかしこも狭い宇宙空間に交易ステーション、巨大アステロイド、研究ステーションがあるだけで、惑星系の個性は感じられない。またワープゲートにアクセスせずにハイパースペースに進入できるため、宇宙を航行する楽しみや、僻地などを探索する場所もない。DarkStarOne09グラフィックは色合いが濃くて気に入っている。特に小さなアステロイドは宇宙空間にがっちり固定されているのではなく、ゆっくり回転しながら移動しているので、リアリティーがあってよい。だが磁場嵐などの危険地帯は殆ど存在してないので、宇宙空間のバリエーションには欠けている。各種族の個性は出ていて良い。エフェクトなどは並だが、艦船が爆破するエフェクトがちょっと派手すぎる気も。

EAXなどの表記はないが、マルチスピーカーには対応している。サウンド関連の出来は普通で、特に印象は残っていない。DarkStarOne11時々クラッシュしたが、これはPCのメモリが足りないせいだろう。後、いくつかの戦闘中に味方がしゃべる声が途切れてしまった。ミッション中にバグで進めなくなったことはない。パッチでほぼ直っているようだ。

総評として、序盤にあれもこれも遊びすぎて終盤飽きてしまったが、それ以外はそつがなく、丁寧で、非常に好感度を持てたゲームだ。操作関連も特に難しくもなく、初心者でもプレー可能だろう。自機を弄り回せないのは人によって減点かもしれないが、そういうのが面倒な人には好都合だろう。

広告
カテゴリー: SCS パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中