Left 4 Deadレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

l4d2008年11月に発売され、協力(Coop)プレーを主眼としたFPSである。これをここまでメインに据えたアクション系ゲームとしては、Serious Sam 2以来ではなかろうか。現在、Steamで購入が可能である。

ストーリーは、一昔前のゾンビ映画から影響されているようだが、ゲームではわずかに語られるのみ。謎の感染症が起こり、人々はゾンビのような感染者に成り果ててしまった。4人の生存者は、脱出のため熾烈な戦いを潜り抜けなければならない。

私が購入したのはズーの日本語版だが、海外版でもダウンロード版でも、Steamで日本語に設定することができる。ゲームも単純明快で、FPS初心者でもとっつきやすい。マニュアルの代わりに、簡単な操作方法が書かれたクイックレファレンスしか入っていないが、ゲーム内でヒントが出てくるので問題はないだろう。

Left 4 Deadのゲーム性はシンプル且つ古典的である。進んで、感染者を撃ち、スイッチを押し、ゴール地点に駆け込む、これだけである。しかし協力プレーを本格的に取り込み、しかもそれを高度に仕立てている点が、他のゲームと異なる。協力プレーそのものは、FPS黎明期から存在していたが、マップデザインやバランス等の問題、そして対戦モードの流行により、絶滅寸前になっていた。タクティカル系FPSやSerious Samシリーズに搭載され続けていたものの、これらは手放しに賛辞を送れるクオリティーではなかった。前者は、(設計上協力プレーを入れやすいが)ただでさえ人を選んでしまうゲームであるし、仕様上「死」の扱いがシビアすぎる。死んでしまうと、基本的にそのマップは復活不可能になり手持無沙汰になる。もし制限なく復活してしまうと、「突撃→死亡」のオンパレードとなり、リアル系の意義が損なわれる。一方Serious Samシリーズは協力プレーを認知せしめた点で、大いに評価できるものの、「助け合う」という意味合いの協力プレーからは程遠かった。言うなれば、各人が好き勝手に銃を撃っていて、特に即席で集まったメンバーでは、バラバラに行動したり、誰かが勝手にマップを切り替えたりする状況が多々あった。又、協力プレーは単に敵の数を増やせばよいという安直な考えでは、対戦モードと比べて浅く飽きが早い。かといって、クラスを導入したり、味方への誤射を適応したり、複数のプレイヤーで解く仕掛けなどを入れれば、それだけとっつきにくくなる。

以上の諸問題を考慮すると、L4Dはそれらに対して上手な解法を示して、今までの協力プレーとは一線を画したゲームとなっている。これは諂いでもおべんちゃらでもなく、以後の協力プレーゲームに影響を与えるであろう傑作と評してもいいかもしれない。l4d1プレイヤーは生存者4人の内の1人となり、共闘して感染者を倒しながら、ゴール地点まで進む。シングルプレイヤーモードでは、残り3人は全てAIが担当し、マルチプレイヤーモードでは他のプレイヤー(人が足りない場合はAI)となる。シングルとマルチの協力プレーの違いは、これだけである。l4d7基本的なシューティングとしてのクオリティーも高い。銃を撃ったときの感触、着弾したときの出血や身体損傷も派手で、癖になる快楽性を持っている。ここが駄目なら全てが御釈迦になっただろうが、この辺りはさすがFPS界の巨匠の仕事である。又、Samのような「ただ出てくる敵を撃ちまくるだけで、1時間もプレーすればゲンナリする」という状況にも陥らない。というのも、敵を大量に出し続けるゲームと違って、このゲームには戦闘の緩急がついており、そのような疲弊感を覚えにくいからだ。また、これは後で述べるが、特殊な感染者の存在により、突然プレースタイルを切り替えなければいけない時もある。移動感覚については、ゲームエンジン特有の滑るような動きだが、違和感は感じない。

では、「協力」の部分について掘り下げていこう。と言っても、さりとて特別なことはない。先にも述べたクラスや特別な共同作業などは、排他的な要素に成り得るので、このゲームにおいて存在しないと断言してもいい。では、何を協力するのかと問われれば、共闘これである。例えば、最高難易度における最初のマップの彼我戦力差は4:392(状況によって数値は変わる)である。Samと単純比較すると、大したことがないかもしれないが、このゲームではアーマーは存在せず、補給も限定的、ロケットランチャーなどの派手な武器も存在しない。そのため、お互いが死角とリロードをカバーしながら行動しなければいけないのだ。単独行動は極めて危険で、敵に捕獲されると、もうお手上げとなり、味方に解放してもらうか、そのまま死ぬしかない。わき目も振らずゴール地点に向かおうとしても、基本的に感染者のスピードが速く、打撃を食らうと移動速度が極端に落ちるので、駆け抜けるのは難しい。又、ラッシュと呼ばれる感染者が津波のように襲ってくるイベントがしばし起こるが、これも単独では裁ききれないだろう。ヘルスが少なくなると移動速度が落ち、味方の援護なしには生き抜けない。ヘルスがなくなった場合、行動不能(倒れて、サイドアームだけが使える)に陥り、この状態から脱するにも味方の介助が必要である。この行動不能は2回目までで、画面がモノクロになると、3回目の行動不能はすなわち死亡(メディキットを使用することで、このカウントはリセット可能)となる。又出血という概念を取り入れており、ヘルスメーターが破線になった状態がそうである。これは破線が続く限りどんどんヘルスは減少し、最悪ヘルス1まで低下する。死亡した場合、一定時間観戦者(AIのみの構成になっても終了)となるが、復活は可能である。ただ、小部屋に閉じ込められた状態で、プレーを再開するには、他の生存者から扉を開けてもらわなければならない。l4d3協力プレーの仕組みに注目してみると、今まで問題乃至障害と感じられていた部分に大きくメスが入っている。まず、味方への誤射はオン固定だが、1発目は警告で済み、実際のダメージはカウントされない。次に、味方の状況はたとえ壁越しでも、輪郭が浮かぶようになっていて、容易に判別が可能だ。そのため、敵に捕らわれても、早期の救出が期待できる。又、味方同士の衝突干渉がなく、室内における移動の煩わしさが解消された。プレイヤー間の意思伝達も、照準を合わせればキャラが勝手にしゃべってくれるので、逐一立ち止まって文字を打つ物臭も解消された。最後にCoop特有の癌「長時間の拘束」も解消されている。例えば、Samを最後まで通して協力プレーした時、時間が掛かって、終盤はだれて投げやりになってしまったことはないだろうか。対してこのゲームはキャンペーンごとに別れ、ボリュームもコンパクトに収まっている。人数も基本的には4人までで、大人数対戦ゲームよりずっと容易に人が集められる。他、人が足りない分はAIが担当してくれるので、気軽に始められる。同様に、勝手に抜けても再びAIがコントロールを執るので、後ろめたさなく抜けられるのである。l4d13以前から協力プレーの需要はかなりあったと思うのだが、数ある手枷足枷により開発者およびプレイヤーを躊躇させていたのではないか。それらを逐一昇華し、「複雑なルールもなく、とっつきやすい、けれどプレイヤー間の連携は必要」という絶妙な匙加減を見出した点は、称賛せざる得ない。

協力プレーばかり目が行きがちだが、その他に対戦モードも存在している。これは生存者4人と感染者4人の最大8人のゲームとなり、生存者のチームは、どれだけマップを進んだか、どのくらいヘルスは残ったか、最後まで生き残ったのは何人かという項目で得点を稼ぐ。感染者側の目標は、生存者を殺すことで、その得点を低く抑えなければいけない。1マップが終わると生存者と感染者のチームが交替し、再び同じマップでゲームが開始する。合計で10マップをプレーすることになるが、これはちょっと時間がかかりすぎると感じた。感染者側でも得点が入るようにすればよかったと思うが、恐らくアンバランスになるため、あのような設定になったのだろう。少ししかプレーしていないが、協力プレーよりも乱戦の度合いを強く感じた。感染者がいかに集まって飛び掛ろうが、銃火器で固めた生存者に蜂の巣にされるのがオチなので、NPCの感染者ラッシュに紛れて攻撃しなければいけない。生存者でプレーすればわかるが、敵の攻撃には大抵ラッシュが伴うので、プレーしていて疲れやすい。パッチで難易度が固定となったが、もう少し調整して欲しい。

難易度は4種類ほどあるが、ノーマルでプレーした限り1度も死ぬことなくクリアーできた。恐らくマルチでも、特に窮することなくクリアーできるのではなかろうか。一般のサーバーではアドバンスドがちょうどいいと思う。最高難易度のエキスパートは、非常に難しく、通常感染者の一撃で最大20もヘルスが削られる。そのため、ちょっとしくじったら即戦闘不能となってしまうだろう。プレイヤー間の連携は必須で、しかも高いFPSスキルが要求される。特にタンクは金剛石のような硬さで、正面から相手をするのは愚の骨頂だ。イージーは言わば実績解除用の難易度で、それ以外にプレーする意義はなし。l4d24つのキャンペーン(後日追加された)があるが、難易度ノーマルでプレーすると、概ね各キャンペーンは1時間程度で終わり、計4時間前後となるだろう。ボリュームとしてはかなり少ないが、実際はオンラインで何度も繰り返して遊ぶので、プレイヤーが飽きた時が止め時である。私の場合、難易度を上げたり、対戦モードに入ったりして長く遊んでいる。プレー時間は40時間を越えているのではなかろうか。

会敵するであろう敵は通常感染者(ゾンビと便宜上呼ばれる)がほとんどを占める。一見ノロノロ歩くゾンビのようだが、こちらを認識するや否や、怒涛のスピードで迫ってくる。武器は持っていないので、接近される前に撃ち殺せば良いが、その圧倒的な数とスピードで攻めてくる。Samシリーズのようなゲームプレー感覚に似ているが、この感染者は段差や金網など容易に乗り越えてくるので、安全地帯のような場所は無い。小部屋の四隅ぐらいだろうか?老若男女色々なタイプがいるが、どれも能力は一緒である。l4d9その他、特殊感染者と呼ばれるボス格の感染者が存在し、時折襲い掛かってくる。ラッシュを誘発するブーマー、信じられない跳躍力を持つハンター、遠距離から釣り上げるスモーカー、圧倒的な怪力を誇るタンク、そしてトラップ型の感染者であるウィッチである。それらの詳説は端折らせて貰うが、全般的に言えるのは、まず唸り声や咳き込んだりする音に注意する。そして、周囲を見回して音源の方向を大まかに特定する。孤立していると、それだけ救出が遅れる可能性がでるので、キャラ同士固まるか、少なくとも背を壁にして死角を減らす。

尚、対戦モードにおける感染者チームは、ウィッチを除く上記の4種類(ハンター2、ブーマー1、スモーカー1)を担当する事になる。タンクは各マップ1回出現するか否かの頻度(各キャンペーンの最終マップでは2回ほど)で、スコアが高いプレイヤーが強制的にタンクの担当となる。l4d6AIは良好で、少なくともスタックしてクリアーが不可能になったという失態はない。一度味方AIが、ある地点と自分の後方を行ったり来たりした行動を見せた程度。尚、基本的にプレイヤーが先導する必要があり、AIは積極的に進もうとしない。アイテムなどは取得するが、手榴弾等は投擲せず。敵AIは、たまに凍りついたように固まるケースが見られる。場所によってはやって来れない所もあった。

AIディレクターについても言及しなければならないだろう。これは、感染者やアイテムの配置、ラッシュのタイミングなどを、今現在のプレイヤーの状況に合わせてリアルタイムで調整する機能(難易度とは別)である。確かに配置やラッシュのランダム性は見て取れるものの、「それだけ」といった感じで、少し肩透かしを食らった。基本的にプレイヤーが順風満帆であろうが、何度も全滅しようが、あまり難しさは変わらないと言うのが正直な感想。もしくは私が気づかないくらい自然に行われているのかもしれない。l4d5武器はメインウェポン、サイドアーム、投擲物を各々1つ保持できる。メインウェポンはポンプアクション式ショットガン、SMGをベースに、道中オートマチックショットガン、アサルトライフル、スナイパーライフルへの交換が可能。アサルトライフルは、集弾性が高く連射も利くので、場所を選ばない万能な武器。ショットガンは中距離以降に適さない武器だが、近距離では数人を一気に薙ぎ倒す火力があるので、特に対タンク、または倒れた味方が多数の感染者からタコ殴りにされている状況で役に立つ。スナイパーライフルは、一見取り扱いが難しいが、通常感染者ならどこに当てても即死で、しかも大抵の物は貫通するので、縦一列のラッシュに強い。サイドアームはピストルのみで、これは二丁拳銃が可能。尚、これら銃火器は、特定の物をモデルとしているが、装弾数は改変している。ちょっと不思議に思ったのは、空のショットガンはチャンバーにシェルを装填するモーションが入るのに対し、その他はコッキングレバー等を引くモーションが入らない。弾薬の補給は限定的(ピストルは無限)で、特にアサルトライフルやSMGは弾切れを起こしやすいので注意したい。投擲物は、発信音付きパイプボムと火炎瓶がある。前者は、通常感染者を惹きつける(特殊感染者は不可能)ので、誰かが裁ききれないほど苦戦していたら投擲するべきだろう。火炎瓶は、文字通り火の絨毯を敷き、一時的な安全地帯を築く。特に難易度エキスパートでは対タンク用の武器として重宝し、正面切って撃ちまくるより、着火させて逃げ、そのまま焼死させた方が利巧である。最後に接近(殴り)攻撃も非常に重要と付しておく。マガジンが空になっても、感染者の猛攻は止まなく、かといって悠長にリロードする暇も無い状況になるだろう。この殴りは、弾薬が節約でき、誤射がカウントされず、敵をノックバック(特に飛びつくハンターに有効)させ、しかも効果範囲が広い。リロードをしながら殴る荒業も可能でである。l4d12一方アイテムは、メディパックとピルの2種類のみ。前者は他のFPS同様にヘルスを回復させる(80まで)が、適応に数秒掛かり、無防備になるので他のメンバーはその間援護するのが望ましい。後者のピルは直ぐ適応できるので激戦の最中に都合よいが、この回復は一時的なもので、徐々に元のヘルス値に戻っていく。そのため、時間がたてばたつほど不利な状況に戻るので、急ぎ足でセーフハウスに向かったほうが賢明だろう。基本的にこれら回復アイテムは稀で、特にメディキットはセーフハウス以外には置いてないと考えてもらってよい。道中に、ボンベやポリタンクなどの可燃物が置いてあることも多い。l4d8マップは5マップから成るキャンペーンが4つある(後日2つの短いキャンペーンが追加)ので、計20マップとなる。個人的に、どのキャンペーンも同じ長さで同じギミックに感じ、単調という印象がぬぐえなかった。雰囲気は良くできているが、ゲームの設定上似たようなシーンばかりで、バラエティーはなく面白いとは感じず。プレーしていて「嫌だなぁ」と感じるのは、路肩が雑木林の場所。視認性が悪く、特にそこから出てくる特殊感染者が怖い。l4d11グラフィックは、Sourceエンジンを使用している。HL2では写実的な町並みが印象的で、本作品もそれと同じ出来である。だがマルチプレーゲームなので「魅せる要素」はなく、本作品のグラフィックを称える記事は見かけない。DX9のみでDX10には未対応であるから、あまり見向きもされないのだろう。個人的に印象的だったのは、光源がこちらに向いた時に出来る、七色の放射線状の光輪だろうか。

銃火器のエフェクトは、かなり良くて撃っていて気持ちがいい。BGMは、体験版の時から完全に切っているので評価できないが、状況に応じたものが選ばれるらしい。

現在、バグはほとんど直されている。l4d4総評として、私の期待以上の作品となって非常に満足している。普段から対戦漬けの人は勿論だが、オンライン対戦は敬遠しているが、協力プレーには興味がある方に特にお勧めしたい。少なくとも協力プレーモードでは、何度も殺されて憤慨することもないし、覚えることも少ないので他のプレイヤーの迷惑になることも少ないだろう。

逆に「シングルしか興味ないし、マルチには絶対に行かない」という方はパスしたほうが賢明。というのも、シングルプレイヤーゲームとしてこの作品を見ると、ストーリーは希薄、ゲーム性は単調、ボリュームは少なめだからだ。このゲームに詰まっている魅力は、全てマルチプレーで初めて発揮され、シングルプレーは他のマルチプレーゲーム同様「練習や慣れ」に過ぎない。

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