John Romero’s Daikatanaレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

Daikatana-Box-Art前代未聞の迷作として未来永劫その名を轟かすであろうDaikatana(2000年発売)。John Romero主導のIon Stormが開発し、Eidosが販売した。現在、GOGで購入が可能である。daikatana01西暦2455年、ヒロ・ミヤモトは京都で剣術道場を開いていた。ある雨の降る夜、彼の元に1人の老人が尋ねてくる。その老人の名はトシロー・エビハラ。彼は身の上話をしつつ、ヒロの一族の過去について語り始める。中世の日本、オサカ・ミシマ将軍は、全国統治のためヒロの祖先である刀鍛冶に、名刀を鋳るよう命じる。出来上がった1本はあまりにも強力で、時空を切り開く能力すら持ってしまい、ヒロの祖先は、その濫用によってミシマ一族が未来永劫日本を統治するのを恐れてしまう。ゆえに彼はミシマの対立者エビハラ一族にその刀を渡してしまい、その力によってエビハラ一族はミシマ一族を滅ぼしてしまった。そしてその後その大刀はいずこの火口に投じられ、歴史から封印されてしまう。

時は流れ現代、エビハラ一族は医療用ワクチンを開発するなど世界的な名誉を預かって、また大刀の発見にも成功する。しかし歴史の陰に隠れていたミシマ一族の末裔カゲ・ミシマによって大刀が奪取され、歴史を歪ませてしまう。ヒロの住むこの世界も歪んでしまった歴史の延長上であり、トシローは歴史の流れを正すのは大刀の創造主の子孫であるヒロの宿命であると訴える。

ストーリーを重視しているので、カットシーンは他のFPSより多い。英文の量もそこそこあったが、わからなくてもムービーを見てれば雰囲気はつかめる。ゲーム中のミッション目標は非常に簡素だが、一部会話から理解しないといけない場面もあった。

ロメロは和製RPGを意識して、このFPSにもいくつかのRPG要素を加わえている。とはいえ、基本は普通のシューターなので、面倒な要素ではない。レベルアップした時、どのスキルを伸ばすかという程度だが、ゲームの難易度を考えると、実質選択肢はないという感じである。またエピソード2から使用できる大刀のレベルも上げることもできるが、初期のそれはかなり使いづらい。レベルが上がるにつれて攻撃力と攻撃速度が増していくが、最大まで上げても、接近戦が強くなるだけだ。ノーダメージで敵を粉砕したり、遠距離攻撃ができたりするのかと勘違いしたが、ストーリーが述べているほど強力ではない。また、大刀ばかり使っていると、銃火器の存在意義が大分薄れてしまう。一応最大まで刀のレベルを上げたが、ゲームの1/3はこれで戦わないといけなかった。かと言って、刀を育てないと、たんなる象徴的なアイテムに成り果ててしまう。この育成の何如は、プレイヤーに任せているので、そういう風にしたのは賢明だった。daikatana03他にRPGを想起させる要素として、味方AIとの擬似Coopが挙げられる。しかし、いたるところで叩かれている通り、このゲーム最大の癌はやはりサイドキックである味方AIだろう。初期バージョンをプレーして怒り心頭に発したプレイヤーの気持ちは重々酌んでいるつもりだ。しかし、v1.2までのパッチでAIのパスは改善され、プレーし得る範囲内の不満に留まっている。スタックしたり、溶岩の中に落下したり、向こう見ずに戦ったり、多々問題はある。しかし、プレイヤーが気を使えば、「AIが死んでゲームオーバー」「AIのスタックでデットエンド」は大分回避され、そこまで気にならない。ヘルスとアーマーをを高く保ってやって、途中の敵はプレイヤー自身で蹴散らして、安全を確認して味方AIを連れて行けば、すんなり進むことが多い。私がプレーした限り、AIがプレー中に消滅するバグは発生せず、「AIが一緒でないと次のマップに進めない」という不満もそこまでなかった。

ただ、この「可能な限りAIの面倒を見る」やり方は、AIを厄介な存在と見做し、味方のマネージメントに徹してしまう。自分以外の落ち度でゲーム進行がストップするのはやはり不満だろう。AI1人の面倒ぐらいなら何とかなるが、3人一緒で行動する時が一番気を揉み、気付いたらどちらかが付いて来ていないというケースが多々ある。唯一のメリットは、射撃が正確で、2人が一斉放火すればダメージを食らわず敵を粉砕できることだろう。

このゲームは、Half Lifeのように各マップのつなぎ目を行き来できるので(ステージを越えるのは不可)、どこがゴールなのかわかりにくい。大抵は戻ってくる必要がないものばかりだったが、中には「幾つかのアイテムを集めて、さきほど来たマップのあそこに当てはめて進む」というものもある。ムービーの会話を聞き逃すと、迷ってしまうだろう。実際何度かウォークスルーを参照してしまった。このゲームのFPSの要素についてはQuakeエンジンなので、移動感や銃撃感などの違和感はない。詳しいことは省略させてもらう。daikatana02最初のエピソードがとても難しい。プレーを放棄するほどではないが、ゲームをクリアーすれば、いかにここが突出しているのかよくわかる。まずマップが暗く汚らしい上、敵の動きがうっとおしい。さらにこちらが低レベルなので死にやすい。武器の使い勝手が悪く、弾切れになる可能性も高い。その難易度のせいか、最初と次のエピソードには無限回復のポータルがある。幸運にも、ここでは味方AIに振り回されることは少ないが、単にFPSゲームとして出来が悪い。エピソード2から難易度は下がってくる。以後はレベルが上げっていくので、ヘルス最大値を上げるバイタリティーにスキルを振っていれば、簡単になるだろう。尚、初期設定ではセーブ回数の制限があるので、オプションから無制限にできる。

総プレイ時間は、25時間程度。昨今の短い傾向からすれば、相当なボリュームである。初代Unrealほど冗長ではないが、エピソード2と3は私の好みでないファンタジー物だったので、だれてしまった。

敵の種類は総じて多いが、エピソードごとに限られてくるので、同じ奴が何回も出てくる。エピソードごとのボスもインパクトに欠けた。

AIはQuake 2並である。スタックしていたり、ドアに向かって延々と走っていたりする。知能の欠片も見せず、死ぬまで突っ込んでくる。しかし、アクションFPSなので、そこまで鼻につかなかった。味方AIの問題点は、先ほど指摘したので割愛する。

エピソードごとに武器が全く変わってしまうのは、今でも斬新なアイデアだろう。しかしFPSの武器というのは、その仕様が大抵決まりきっているので、バリエーションを増やすのは困難だったに違いない。彼らの苦心は認めるが、どの武器も何かの癖があって、使い勝手が悪い。特にエピソード1の京都では、慣れていないせいもあるのか、武器の爆風や反動で死んでしまうことがあった。爆破範囲の広い武器は、やりすぎというか派手すぎて、敵が既に全滅しているのにまだ爆発が止まらず、そのまま爆風に巻き込まれてしまうため、プレイヤーやサイドキックが近くにいる場所ではとても使えない。最後のサンフランシスコでは、やっと銃火器を手に入れる。daikatana04エピソードごとにマップの様相はごっそり体を変えており、新鮮味がある。世界の統一感はなく、プレイヤーにとってマイナス点になるかもしれない。SF風のエピソードが2つに、ファンタジー風のそれが2つあるが、個人的な好みから、ファンタジーの方はいまいち面白みを感じられず早々に飽きてしまった。他、FPS黎明期のマップを想起させるようなものが中盤多かった。

daikatana06Quake 2エンジンを使用している。オリジナルよりは大分綺麗になっているが、2000年にこのクオリティーでは厳しいものがあっただろう。今プレーすれば「古いゲーム」と割り切ってしまうので、そこまで気にならない。ただ、もう少し大刀のアニメーションは格好の良いものにして欲しかった。これだと単に振り回しているようで、ヒロはとても剣術の達人には見えない。世界観やキャラクターデザインに関しても、日本人受けしない。顔や鎧の描写などはもろアメコミのテイストで、少なくとも私は好きになれなかった。

武器エフェクト音はそこそこではなかろうか。エピソードごとに武器は総入れ替えしてしまうが、印象に残ったのはミニガンぐらいか。BGMは、大手レビューに最低と書かれてたのを見たが、そうは感じられず、むしろ耳に残ったものが多い。DeusやらUnrealを思い浮かべる曲があってよかった。

私が一番気になったのが、キャラクターの声。スーパーフライの大げさには失笑する。わめきちらしたり、涙に咽いたりと気になって仕方がない。

私の環境で発生した不具合を記す。まずWindows XPに問題があるのか、E1M4 CREMATORIUMの入り口付近で必ずクラッシュする。対処法が見つからなかったので、チートでスキップした。その他の場面ではそのような現象は起こらなかった。E4M2 BENEATH THE ROCKの斜め下に降りるロープーウェイの扉が開かない。E4M4 MISHIMA LABSのラスト、コントロールルームの中央リフトが動かない。敵が死んで倒れても、立った状態の当たり判定が残っているようで、その近くで爆破系武器を使うと自爆した。daikatana05ゴミだのクズだの、レンジでチン賞だの不名誉の極みのようなゲームと口汚く罵られているが、最新バージョンのパッチを当てれば少なくともそんなことはない。バリューや安っぽい東欧産のゲームに比べればしっかりできている。不具合も大分潰されたようで、少なくともディスプレイを叩き割るほど怒り狂うこともない…

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