Armed Assaultレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2001年6月に発売され、ミリタリーマニアを熱狂させたコンバットシミュレーターゲームOperation Flashpoint。開発元はいざこざで販売元Codmasterと袂を分けた後、OFP2という名をArmed Assultと変えて発売(2007年)した。現在、Steamで購入可能。

前作OFPは冷戦という設定の下、架空の島におけるアメリカ軍とソ連軍の密かな戦争を扱っていた。今回AAはそのようなバックグラウンドは廃している。大西洋上のSahraniという架空の島を舞台にしており、登場する国家も架空のものである。北側はロシアの衛生国家である共和国、南側はアメリカによる軍事支援を行う王国が統治している。米軍が島から撤退した隙に、北が殖民事業という名の下攻め入ってくる。プレイヤーは匿名の米軍兵士で、侵略されるその時から、北の首都を制圧するまでの作戦に身を投じていく。

個人的な意見だが、冷戦という重厚なリアリティーを持った前作に比べ、ストーリーが取ってつけたように薄っぺらくなっている。まず、プレイヤーキャラが完全に匿名になったことだろう。前作ではデービット・アームストロング軍曹を中心に、戦車兵、航空兵、特殊部隊員がそれぞれ奮闘し、最後には酒場で一同集まり大団円だった。一方、今回はニュース番組を観る手法を採っている。兵士の雑談などの細かい演出は殆どなく、同一人物なのか否なのかもわからない誰かを操って戦争をするので、露骨にゲームという感じが強い。

OFP同様、ゲーム内は一切の日本語がない。しかし、ゲームシステムを含めて、新たな要素はそれほどないので、OFPプレイヤーはすぐ慣れるだろう。一方でFPS初心者には、英語の問題というよりシステムの問題で苦労すると思う。ゲーム自体は字幕がつくので、それほど言語の壁で苦労することは少ない。ミッション目標も英語で表記され、大抵が制圧するか破壊するものだ。その作戦場所も地図にリンクアップされているので迷うことはない。

プレイヤーは、広大な戦場の中のちっぽけな一兵士に過ぎない。ヘルスは表示されず、基本的に1、2発の被弾で死亡する。手を撃たれれば照準がぐらつき、足だと立てなくなる(衛生兵や病院で回復可能)。豆粒くらいの大きさの敵と、ライフルで撃ち合う。ランチャーを持たない限り、歩兵は装甲を有する車両に対して無力である。広大なマップが舞台となるが、移動スピードは遅く、スタミナが切れやすい(銃の安定が落ちる)。

初めてこのシリーズをプレーする人は、窮屈さ痛感するだろう。アクション系FPSとはひと味もふた味も異なり、ランボープレーでの突破は、不可能ではないが無理に等しい。敵は数で物を言わせるため、正面切っての戦闘は消耗戦となり必然的にこちらが先に根負けする。いかにこちらの被害を少なく敵を倒すか、これがAAで生き残るための戦法である。

敵をより早く発見することは特に重要だろう。移動する時、時々立ち止まって望遠鏡で地平線を見渡したりする。会敵しそうな場所や市街地では、必要以上に慎重に行動し、コーナーなどはリーンを活用する。敵の位置とその頭数を把握しておけば、戦闘に有利になり、反撃のチャンスを与えぬまま敵を全滅させることも可能である。逆に奇襲を受けた場合、味方の犠牲を出さずに敵を撃退できる可能性はかなり少ない。部隊の誰が「何時の方向に、どんな種類の敵、そして距離」を伝えてくる。そうすれば敵の位置情報は味方AIに伝わるので、撃ちもらして奇襲を受けることも少なくなる。

特に敵車両の位置を事前につかむことが重要だ。というのも、それらが搭載する機関砲は歩兵部隊にとって脅威となるからだ。例えば、味方を誰一人死なせず進めていたが、突如現れた装甲車の機関砲によって10秒足らずで全滅することだってありうる。もちろん対装甲兵器も用意されているものの、動き回る車両に直撃させるのは難しく、距離があれば弾道は下がってしまう。おまけに、この対装甲兵器を構えると移動にハンデを食らうので、今度はライフルの餌食になりやすい。そのため、最初にそれら装甲車両を確認しておくのが賢いのだ。警戒もせず、停車させている状態が狙いやすい。このゲームでは、かなり離れた所からでも車両のエンジン音が聞こえてくる。その位置をつかんだら、発見されないよう接近して破壊するか、草むらや建物に隠れて、通り過ぎるのを待てば良い。

危険を冒さない戦闘をする、これが次に重要だろう。敵を1発で葬れば、すぐ次のターゲットに切り替えることができるし、被弾面積を小さくすればそれだけ当たらなくなる。銃身の安定は「立った状態<しゃがんだ状態<伏せた状態」と、身を伏せるほど増していくので、基本は伏せて撃つのが好ましい。他のリアル系ゲームに漏れず、このゲームもアイアンサイトを採用しているので、それを使わない手はない。例外として、急に敵が目の前に現れることもある。そのような緊急時は腰撃ちで倒す。(ただし難易度によっては、通常の照準が消えることもある)

交戦して敵からの銃撃を受けた場合、誰が狙われているのか、どこから撃ってきているのか、どう対処するのかと迷うだろう。これは状況に応じてまちまちだと思う。とりあえず伏せて、どこから撃っているのか、自分が狙われているのか否か、近くに隠れるようなブッシュがあるか確認している。

自分の世話だけで一杯なのに、部隊のマネージメントもやるのかと辟易してしまう人も多いだろう。味方AIの指示出しに没頭していたら、うっかり撃たれて死亡というケースも多々ある。そのせいか、マルチプレーでもリーダーはなんとなく避けられているような気がする。しかし面倒くさいからといって、この指示をなおざりにするのもまずい。ステルスミッションの時などは特にそうだろう。味方AIを発砲禁止にして、コンバットモードをステルスにしておかなければ、彼らの予期せぬ行動で敵が騒ぎ出し、ミッションがお釈迦になる。一応トレーニングモードでも小隊運営の訓練があるが、必要最低限という感じだ。やり方は、該当兵員をファンクションキーで選び、次に系統化された命令番号で、AIを動かす。一見それら命令はかなりの数があるが、主に使うのは決まっているので、慣れれば問題ないだろう。マルチプレーでは各人が柔軟に動いてくれるので、シングルプレーほど気を使わなくてよい。またボイスチャットを使用していれば、口頭で意思疎通ができるので、わずらわしさは大いに減るだろう。

車両や軽火器などはトレーニングミッション、シングルプレーを通せば十分に熟知できると思う。それ以外の、扱いにくい銃火器および乗り物もカバーして欲しい。ヘリを含む航空機はOFPよりシビアになった。強引な旋回をすると姿勢を建て直せないまま地面に激突する。繊細でソフトなタッチで操縦桿を握って欲しい。飛行機はシングルマルチ含めて滅多に搭乗することはないので、こればかりはエディターから飛行場に飛行機を出して感触をつかむしかない。

総じて、熟練プレイヤーは、何でも一通りこなすことができ、慎重に行動し、賢明な判断を下せることができる人だろう。スポーツ系FPSのような技術はあまりいらない。とにかく慣れと練習を積み重ねれば上達する。

難易度は上記のゲーム性で述べたように、相変わらず難しい。しかし今回はキャンペーンミッションの数が減って、しかも無限セーブが可能になっているので、総じて見れば簡単になっている。クリアー寸前で凶弾に当って即死、オートセーブからの長くて辛い道のりを繰り返す苦労はなくなったのだが、正直あっけなさすぎたような気もする。確かに難しいミッションも存在するが、前作の苦労に比べれば大した難しさではない。また前作にはなかったトレーニングミッションも充実したので、(それをプレーしたからといって直ぐに実践で役に立つとはいえないが)ある程度の門戸は広くなったといえる。

キャンペーンは15時間とOFPに比べ大分減っている。これは先にも述べたように、死亡によるやり直しが減って、またキャンペーン自体の短さも拍車をかけているからである。正直、これだけでは価格につりあわないというか、前作OFPであれだけお腹一杯になったため、今回はこの少なさに拍子抜けしてしまった。そのため、ユーザーメイドのミッションを入れて遊ぶべきだろう。

敵兵とそれが搭乗する兵器が主な敵となる。AIについては、概ね賢いようだ。敵も味方同様グループを編成し、そのリーダーが指示だしをしている。AIはリクルートからエキスパートまで技量の差が存在し、近くを通り過ぎても気付かない頓馬もいれば、遠距離から弾丸を当ててくる強者もいる。バランスが破綻していたり、超人間的な動作を行うことはほとんどない(正確に言えば、少しだけある)。例えば、遠距離の敵を撃っても、即こちらの位置がばれることはない(夜は更に認識能力が下がる)。敵AIは、発砲地点らしい場所を迂回しながら絞り込んでやってくるという感じで、向こう見ずに真っ直ぐ突っ込んでくるとこはまずない。そのため、部隊の全員が同じ方向ばかり向いていると、反対側から迂回してきた敵AIに何人か殺される羽目になるだろう。撃たれた時の反応もいい。伏せてこちらの攻撃を回避しようとしたり、走りと全力疾走を切り替えつつ左右に不規則に蛇行したりして、偏差射撃をかく乱する。射撃精度も許容の範囲だ。敵から撃たれた時、ちょっとした草木でも隠れたほうがいい。敵は視覚的に何かに遮られたり、伏せたりするととたんにその認識力が下がる。

一方問題もある。戦うための応用が利かない。AAでは、遠距離の歩兵にすら対装甲兵器を景気良く撃ちこむのだが、肝心の装甲車両が出てきた時には弾薬がなくなったことがあった。他、橋を渡ってくれず、わざわざ川を泳いで対岸に着こうとするのだが、水中で武器を失ってしまい、戦闘ができなくなった。特に致命的なのが、キャンペーンにおけるステルスミッションだった。ガードタワーの敵兵をサイレンサー付SMGで撃ち殺すものの、どうやっても全軍に警報が鳴り響いてしまった。

OFPと比べて、武器や乗り物が減ったのはマイナス点(説明書には載ってない武器もたくさんある)。今後のパッチで追加されるであろうが、全部戻ってくるのかはかなり怪しい気がする。武器はとにかく当てにくい。基本的に敵歩兵とは100mから200mの間で撃ちあうが、ダットサイトやアイロンサイトに合わせても弾道のぶれで外れる。動いている敵はさらに当てるのが難しい。

ライフルは反動が少ない分、立っている状態でも狙えるが、ライトマシンガンになると伏せないと反動が酷くて1発目以降は狙えないし、えい光弾が多く出るので位置が容易にばれる。ただし伏せた場合は、ライフルで狙えないような遠距離の敵を弾幕の量で撃ちぬける。OFPの時と比べてライトマシンガンはかなり強くなった。スナイパーライフルは使いづらくなった。地面の草の描写のおかげで、伏せ撃ち時のスコープが草で覆われる。手ぶれがあるので当てられないし(単に下手なのかも)、スコープを覗くと視野が狭まるので、他の敵からの攻撃に対応しにくくなる。グレネードランチャーや手榴弾はもっと難しいが、それらはかなり有効なので練習するのみだ。トレーニングミッションで一応軽く触るのだが、それだけではとても距離感がつかめない。

アイテムも結構ある。各種弾薬から色付のスモークグレネードやフレア、誘導爆弾のカメラなど。だが、使う機会は限定的でユーザーミッションでも使用することは少ないだろう。

OFPと比べ、マップは劇的に良くなった。前作は寒々とした東欧の雰囲気が良くできていたが、いかんせんそればかりで飽きていた。今回は砂漠、草原、市街地(都会ではない)、山地など場所によって劇的に変化する。無論前作同様、昼や夜などの時間帯によって日も傾き、天候も左右するので、バラエティーは増えたと言える。

なおシングルプレイヤーモードは、OFPのように淡々とミッションをこなしていくものではなくなった。1つのメインミッションに2つほど予備ミッションがあり、その予備を予めクリアーすることで、メインのそれに影響を与えるようになっている(細かい差異は不明)。基本的にメインミッションだけクリアーすればいいのだが、それだとあっという間にゲームは終わってしまうので、できるだけ予備もクリアーした方が楽しめる。

前作同様、単体のシングルミッションもいくつか入っている。ここにトレーニングミッションがあるので、最初はこれらをクリアーすべきだろう。いくつかロックされている単体ミッションもあるが、プレー可能なミッションをクリアーすることで解除される。ご褒美は兵器図鑑というボーナスだが、あまり嬉しくはない。

グラフィックエンジンは、OFPで使用されたVBSを改良したもの。しかしVBS2.0ではなく、1.5程度らしいので、一部のプレイヤーはAAをOFP1.5と呼んでいる。OFPからAAになったことで一番劇的に変化したのは、このグラフィックだろう。まず地面に草が生えるようになった。OFPでは林でも平地でものっぺりとした地面でかなり違和感があったが、AAでは一面の草花によって自然らしさが出ている。無論、伏せると、邪魔になって照準が合わせづらくなる。また、遠距離の草は表示されないので、遠くに伏せている敵が丸見えとなっている問題はある。設定をVery Lowにすればその草を消せるようだが、マルチプレイヤーではある程度残るようだ。ゲームには関係ないが、草花に加えて蝶や蜂、トンボなどが時々視界を横切る。

HDRによる太陽も効果的だ。太陽を直視すれば画面が白飛びするほど眩くなる。反対に陰に隠れれば、全体的に光量が下がってしまう。この効果は、夜のナイトビジョンゴーグルで顕著に現れるだろう。明順応と闇順応をよく再現しており、また明るい炎など見ると、周りが見えなくなってしまう。

当時のグラフィック設定は、ほとんどLowかNormalだったので、あまりグラフィックの事柄は言及できないが、兵士のモデリンクや装備品は、あまり細かくなったとは思えない。また、細かところまで作り込んである武器と、そうでないもの(M16とか)があるような気がする。乗り物については満足している。

市街は少し残念だった。Ghost Recon Advanced Warfighterのような都市ではなく、町程度の規模なので、あまり市街戦という雰囲気は出ない。

パッケージには特に記載されてはいないが、Open ALとEAXに対応しているようだ。Sound Blasterなどを搭載して、オプションからEAXを有効にすればリアリティが増すだろう。銃声が弾ける音の位置よって聞こえ方が全然違う。また乗り物のエンジン音やキャタピラ音がドップラー効果によって変化する。Call of Dutyシリーズのような「人為的な演出」という意味での派手さはないが、それでも部隊同士が撃ちあうシーンはリアリティがあって迫力がある。

銃火器のエフェクト音はOFPと比べて大分変わった。どれほど忠実かわからないが、どの武器も少々ゲームっぽい銃声音ような気がする。BGMはほとんど印象に残っていない。

v1.05でも多種多様なバグが残存しているが、少なくともクリアー不可能なバグは発生しなかった。しかし、私の環境ではシグナルロストを時々引き起こしている。また、オブジェクトの簡素な描写と詳細な描写が交互に切り替わり、フレームレートが落ち込む。味方AIが、スタックしたり、乗り物同士でぶつかったりする。ジャベリンなどの一部の武器のモデリングがおかしい。音声が再生されなくなる。

誰かが「AAはOFPの有料MODだ!」と揶揄していたが、穿った見方をすればそうかもしれない。特にシングルプレイーしかしない人やエディターを弄らない人にとっては、グラフィック以外の改善点が目に見えてわからないからだ。一方、マルチプレイでは、日々有志がMODやユーザーメイドミッション、そしてOFPからのコンバート等の制作に勤しんでいるので、息の長いゲームになることは間違いない。初心者も一度は挑戦して、この緊張感あるコンバットシミュレーターを体験してもらいたい。やること覚えることは多いが、それだけ充実したゲーム内容が詰まっていることは保証しよう。ヘリを上手に飛ばせたり、遠距離の装甲車を撃破するのはなんとも楽しい。ただし、このArmAには続編が出ているので、今からプレーするならそちらをお勧めする。

広告
カテゴリー: FPS パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中