Brothers In Arms: Road to Hill 30レビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2005年に発売された、第二次世界大戦における米国101空挺師団をテーマしたゲーム。現在Steamで購入できる。

D-Dayに先立ってノルマンディーに投入された部隊の長ベイカーとなり、8日間を戦い抜かなければならない。ドラマBand of Brothersを意識しており、休息時にはベイカーの独白や仲間との会話もあり、隊長としての苦悩や仲間を失った時の喪失感などが良く描写されている。ストーリーがわかればキャラの性格や感情移入ができるかもしれないが、そこそこ会話があって、斜め読みでは解らない部分が多かった。

第二次世界大戦のゲームといえば、Medal of HonorやCall of Dutyを連想しがちだが、このゲームはかなり趣が違う。単に撃って進んで命令をこなすものではなく、ゲームの核として部隊行動を指揮しないといけない。そのため英語版では十分読解できないかもしれないと不安だったが、そう複雑なものではなかった。ゲーム内のチュートリアルで概要を理解すれば、実践で慣れることができる。

一部のゲーマーは「これは一種のパズルゲームである。」と評価している。実際、ゲーム中に明らかに「ここから敵を突いて下さい。」という場所があり、また「コレを使って敵を倒してください」という場面もある。パズルの本質を見抜けば単純で、そう捻るような物ではないと感じるかもしれない。

私の場合、サバイバルゲームの経験があるので、その感覚に似ていると感じた。その基本的なルールは、電動ガンやガスガンで撃ち合い、一発でも身体に当たってしまうと死亡というルールである。狂ったように撃ちだされるBB弾を避けることはできず、「待ち伏せ」という戦い方が非常に有利になる。そのため攻め手は迂回というか、主力とは別に、待ち伏せが行われている場所に側面から襲撃という戦法が非常に有効である。このサバイバルゲームが完全にBIAと同じとは思えないが、戦い方に通用するものがあり、共感してしまうものがあった。

前置きが長くなったが、FPSとして基本情報を簡潔に記す。ダメージは数回の被弾しか耐えられないし、ヘルス・アーマーは一切なし。武器の携帯は2種類と手榴弾だけ。チェックポイント制セーブ。移動力は遅い。銃をアイアンサイトにしても当てにくい。正面切って倒していくと言うより、部隊コマンドによって敵部隊を撃破する。

ゲームはタクティカル系と見做していいだろう。ただ、ダメージのシビアさに比べて敵の数が多い。ノーマルの難易度では5回も撃たれたら死亡する。固定機銃の前を通り過ぎようものなら即お陀仏になる。私のプレーは行動が荒っぽくなって、各ステージの終わりには、ダイハードばりに血まみれになってクリアーしていた。クリアー自体はさして難しくはないのだが、味方も生かしてクリアーするのは難しい。死んだ仲間は決して生き返らない仕様なので、後半になればなるほど少人数では難しくなる。イベントで死ぬキャラは除いて、最後まで1人の戦死者も出さずクリアーしたが、何度もやり直す必要があった。

さて部隊コマンドについてだが、意外に簡単だ。詳しく解説するのも億劫なので端折るが、プレイヤーは各3名から成るファイアチームとアサルトチームの計6名を指揮下に置いている。(序盤はメンバーが散っているので少ない)これらチームを移動・威嚇射撃・突撃させることで敵部隊を倒していく。ファイアチームは敵を威圧する威嚇射撃を任務とし、一方のアサルトチームは側面からの狙い撃ちを担う。

もっと具体的に書こう。自軍が会敵すると、まず最初に敵の位置を目視か地図で把握する。何もしない状態だと敵は意気揚々と発砲してくるので、ファイアチームに威嚇射撃を命令し、敵を釘付けにして身動きを取れなくする。その隙に、プレイヤーとアサルトチームは地図で敵の背後か側面を探し、攻撃を受けないように移動。最後に突撃し、サブマシンガン等で一掃する。基本はこういう流れなのだが、戦車や軽砲相手だとまた別のやり方になってくる。

プレイヤー自ら乗り物等に乗って戦うイベントは一切ないが、イベントとして戦車を指揮するステージは何度かある。その時プレイヤーは味方戦車のコマンダー用機銃を使用することができ、これはかなり強力な武器となる。

ノーマルでも全員生還は結構厳しいだろう。そのために、何度も試行錯誤の繰り返しをやらないといけない。基本的にプレイヤーの指示に味方AIは素直に従うので、あまり大胆な動きをさせないほうがいいだろう。一方、味方は迫撃砲などを認識しないようで、突っ立っていると直撃して何人も即死してしまう恐れがある。こういう時は、さっさと迫撃砲を潰しに行った方がいい。

難易度で言うならば、敵戦車の相手が一番大変だった。いかにも対戦車用に使ってくださいと置いてあるパンツァーファウストは許せるとして、直撃具合によっては、何度も取りに帰る必要があるので、その度に機銃の餌食になりそうになった。

総プレイ時間は20時間以下。この程度の長さでちょうどいいかなと感じた。

ドイツ軍歩兵、中戦車と突撃砲、軽歩兵砲、固定機銃が中心となる。プレイヤーにとって脅威になりうるのが、戦車と固定機銃だろう。正面から戦うのは自殺行為で、上手く考えて攻めないといけない。シチュエーションが非常に楽しかったので、飽きることはなかった。

敵AIは保守的というか、陣取った場所から動かない(迎え撃つ体制を守り、回り込んだりしてこない)のがほとんど。自分が撃たれると立ち位置を変えてきたり、頭を出さないようにする程度で、ダイナミックに動き回ることはない。挟み撃ちをすれば、完全に敵AIは混乱して、慌てて逃げ出そうとする様子が伺え、そのような人間らしい反応はよかった。

問題は味方AIだった。指定した場所に陣取らせても、体を晒して発砲する。また、その行動はときどき愚直で、指定された場所に移動する時、なぜか敵の的になるようなルートを取ることもあった。

武器は当時の小火器が登場する。CODやMOHと根本的なシステムが異なっているので、自分の好きなものを持って行って良いというわけにはいかない。すなわち、遠距離で障害物をはさんで牽制をする時は、威嚇射撃用のBARが適切で、遠距離から狙い撃ちにするときはライフル系(スコープ付きスナイパーライフルが極端に強い)、側面や背後を取って制圧する場合はトンプソンが好ましい。尚、弾が一切手に入らず、特にトンプソンの弾薬は希少である。敵が落とした武器は取得できるので、それで戦うこともOK。手榴弾はもっと希少で、ここぞという状況で使用するしかない。

このゲームもアイアンサイトを導入しているが、敵が攻め込んでくるシーンがなく、また物陰から顔を出す機会も少ない。また「命中率の上がるアイアンサイトを使ってしまうと、部隊を使わずに敵を倒すかも…」という製作者の危惧があったのだろう、このアイロンサイトの手ブレが激しく、中距離以上は狙えない。

終始長閑なフランスの田園地帯で戦うことになる。昼や夜の違いはあるが、同じような色合いの風景に飽きるかもしれない。私は、それよりも「どこから攻めるか」とマップの地形ばかりに気を取られて、マップの単調さには鼻につかなかった。今考えてみれば、もうちょっとロケーションの変化があってもよかったと思う。

マップは一見どこへでも行けて、どこから攻めても構わない広さに見えるようだが、実際の大きさはそれほどでもなく、攻める場所もかなり限られている。箱庭で戦っているようだった。

GeForce Fx5950Uでは、もう初期設定でもプレーできないほど重かった。そのため7800GSを購入してプレーしたが、これだと1024*768の最高画質でも難なく動いてくれた。自軍の兵士たちの顔が似通っており、区別がつかなかった。一方、軍服や戦車の描画はディテールまで描画されている。話題のHDRは画面がボンヤリするだけなので切っていた。

サウンドは全体にクオリティーが高い。CODのように文字通り映画のような過激さはないものの、迫撃砲が畑に着弾したり、戦車のキャタピラ音などはよくできている。武器エフェクトは全体的に普通だったが、ドイツ軍のカービン98だけ妙に余弱々しい発射音だったので気になった。BGMはオーケストラ調の曲あるが、限定的な部分で流れているのみ。

私の環境では、特に不具合は発生していない。

総評として、部隊コマンドは簡単で好感が持てる。これが面倒くさそうで遠慮している人もいるかもしれないが、体験版でもそのチュートリアルが入っているので、一度試して欲しい。慣れてしまえば、指示しながら自分も戦える。サバイバルゲームをしている感覚にそっくりで、非常に楽しかった。

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