Nitro Familyレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2004年に韓国Delphieyから発売されたFPS。バリュー系FPSでしかもアジア発ということから、欧米では扱いが小さく、あまり知られることなく消えていった。現在、少量のリテール版が米国アマゾンで売られているだけで、ダウンロード販売は行われていない。

ストーリーはとってつけたようなもので、正直どうでもよかった。ゴールデンベルという製薬会社が合法ドラックを製作し、巨万の利益を得たが、副作用によって人間が凶暴化してしまい、会社は身を隠してしまう。しかし、この副作用を克服する方法が発見され、その実験台としてある子供がさらわれてしまう。それが主人公ビクターと妻マリアの子供のレッドであった。夫婦は協力して巨大企業から子供を奪い返さないといけない。

一応ムービーが挿入されるが、全部飛ばしてもよい。大抵が「子供を返せ、このクソ野郎!」と啖呵を切り、あとは戦闘に突入するという一本調子で、英語力は全く不要。

一般のFPSとは異なったゲーム性を採っているので、この辺は説明しておこう。まずスクリーンショットやムービーを見ればわかるように、プレイヤーは左右の手に、それぞれショットガン、マシンガン、ロケットランチャーを選んで持つことができる。この組み合わせで、金を稼ぐ手段であるコンボを狙っていく。コンボは格闘ゲームよろしく、ロケットの爆風で敵を空中に浮かせた後、ショットガンを何発も叩き込むことで連鎖(マシンガンはコンボの数に入らず、落下のスピードを落とす役割)していく。この連鎖が長く続くと、それだけ多く金が入ってくる。得た金でコンボ武器を改良したり、普通の両手持ちの武器(ライフルなど)を新たに購入することが可能だ。

一般に撃ちまくりゲームは途中でマンネリしてしまい、そのためこのコンボを導入したと思うが、そこまで上手に昇華しきれていないと感じた。というのも、プレー中ずっと「連鎖をして金を稼がないと…」というある種の強迫観念に囚われて、思い切り撃ちまくれないからだ。しかも雑魚敵の耐久力が低く、ショットガンが全弾直撃しないよう微妙に照準をずらす必要もあった。コンボを認識してくれないバグや、武器リロードの長さも面白さに影響していた。また、このコンボを使った謎解きもあったが、相当面倒だった。

金のことを無視して純粋に撃ちまくれば、Serious Samにはない2丁拳銃の爽快感がある。ただ、敵の同時出現数が少なく、また耐久力もないので、あのゲームほどの迫力ある戦闘ができない。エクスタシーモード(バレットタイム)の演出は印象的だった。

主人公は背中に奥さんを抱えている。彼女はシューティングでいうボムのような役割を持ち、前面に飛び出して爆弾の雨を注ぐ。他、コンボ武器のリロード(他の武器に持ち替えると即完了する)をしたり、接近した敵の首を鞭で刎ねたりする。この首を刎ねるアクションは、コンボに夢中になっているプレイヤーに代わって、近距離の敵を処理する役割なのだろう。

難易度ノーマルでプレーしたが、ラストステージが突出して難しかった。自キャラをコンボしてくる敵が突如スポーンするので、宙に飛ばされてそのまま撃ち殺される。このステージだけは完全な覚えゲームとなり非常にできが悪い。

総プレイ時間は、やり直しを含め20時間未満だった。ただしゲームプレイが単調で非常に退屈だった。

敵の造形は、別のゲームや映画から模倣しているものが多く、あまり好ましいものではない。そこそこバリエーションは多いと思うが、Samに出てくる赤メックのような大型の敵がいないので、インパクトは全くなかった。

敵の銃撃は即着弾するので、避けることはできるが難しいだろう。動きも雑で、すばしっこい敵が多かった。その割には耐久力が低く、倒すのは簡単だろう。よくスタックしてしまい、ゲームが進まないことがあった。

前述したように、ビクターと同じコンボ武器を持っている敵がかなりの脅威となる。正確無比な射撃で空中へ舞い上げられ、そのまま射殺される。ヘルスやアーマーが半分あっても厳しい戦いになるだろう。エクスタシーモードになって速攻で蹴散らすか、誘導ミサイルでスポーン直後に倒す。

コンボ武器は最初から揃っていて、これらを最後までメイン武器として使用する。後に購入できる武器にはグレネードランチャーなどがあり、Samとあまり変わらない。

弾薬やヘルスは有り余っており、1回の戦闘を乗り切れば、またたっぷり補充できる。しかし、ラストのマップでは明らかに不足していて、苦戦必須だろう。

いくつかのマップは異様に広いが、それほど大量の敵が同時に襲い掛かってくるわけではないので、そのサイズにした意図がわからない。戦闘も盛り上がらずに尻すぼみで終わっている感がある。そのため、無駄に移動に費すのでしんどかった。マップの構造も単純で一本道。プレイヤーを驚かせるギミック等も一切無く、単調で飽きが早い。

グラフィックは、旧Seriousエンジンを使用している。バリューゲームなので、見てくれは発売当時で標準以下だった。アニメーションも雑で、特にグラフィック関連で見るべきところは無いだろう。

サウンドも全体的に悪い。特に各ステージのBGMは、安っぽいロックが繰り返し流れて単調極まりない。しかも、数ステージ続けて同じものが流れると耳障りだった。一方、笑を誘っているのか知らないが、エクスタシーモードのG線上のアリアやグレゴリウス賛歌はよかった。

最初の体験版とそれ以降のものとでは、音声や音楽を変えている。個人的には、初期のものが良かった気がする。牛や豚が突っ込んでくる時の「ドドドドド…」という音が、情けないくらい迫力がない。

私の環境では、マップのロード時に固まったことがある。また、夫婦で出現するボスの片方が登場しなかったこともあった。他、あまりにも多くの敵がスタックして、ゲームが中断したこともあった。

総評として、韓国産のゲームと言うと、類似品や劣悪版というイメージが浮かぶが、このゲームもそれに当てはまる。しかし、何らかの独自性を出そうと努力した形跡はみられ、結果的に失敗はしているものの、いくつか光るアイデアは見受けられた。1500円で買ったが、このクオリティーに支払える価格としてはこの程度だろう。

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