UberSolderレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2006年に発売された、ロシアBurutからのアクションFPS。現在ダウンロード販売は行っておらず、わずかの数のリテール版を米国アマゾンで見かけるのみになっている。

第二次世界大戦の中、ナチスドイツが死者を復活させ、超人的兵士を作成する技術を開発していた。プレイヤーはカールいうナチスの高官(なぜか私服姿)だが、レジスタンスに襲撃されそのまま帰らぬ人になる。彼は脳に損傷を受けていないということから、死者復活の被験者となってしまった。その死者は復活すると、最初に見た人間の命令を聞くようになり、偶然復活した時にレジスタンスの女性を見て、結果としてレジスタンスに参加することになる。

オカルトにSF要素を交えたストーリーになるのかと考えていたが、それら要素はほとんど出てこない。色々と突っ込み所が多く、序盤からストーリーに呆れて、飛ばし読みをしていた。「最初に見た人の命令を聞く…お前アヒルか!」と失笑せずにはいられなかったし、最後は唐突にラブロマンス風に終わって(ロシア系FPSに多い、お国柄なのか)、意味不明である。

クリアーするための英語力は必要なし。ムービーはそこそこあるが、ストーリーに呆れていたので、リスニングすらやっていない。なお、ゲーム中の字幕は表示される(ムービーに字幕は出てこない)が、声優が妙に早口なのが気になった。ロシア訛りはそこまできつくない。

プレーして感じたことは痛々しい。どういうことかというと、敵は、超速反応というか、こちらが物陰から姿を現したとたん銃を発射する。それが数人ならまだしも、遠くの建物の窓という窓(要するに狙いにくい場所)に何人も陣取り(しかもトラップじみた出現をする)、さらに地上には連射力抜群のMG42を構えた兵士と、土嚢に隠れた兵士がいるのである。ドアを開けて外に出た瞬間、あちこちから銃のマズルフラッシュと曳航弾が画面を覆いつくす。

このゲームには、マトリックスのように敵弾を食い止めるシールドがあり、それを使えと言わんばかりの設計だが、およそこれだけでは対応できない。受け止める敵弾の数によってシールドエネルギーの消費が激しくなる。ヘルスは大量にあるので、クリアーできないバランスではないが、不足気味の時もあった。致命傷を負うと、今来たルートを遡ってヘルスを探さなければならず、ゲームプレーをぶつ切りにされ不満が溜まる。

また、ドアの先に敵がいることが多いが、このドアがせっかちで、すぐ閉まってしまう。突っ込むほどのヘルスがない場合、ドア枠からちまちまと狙い撃つことになるが、すぐ閉まってしまうドアのおかげで、非常に戦いづらい。

このゲームの移動感覚に違和感を覚えた。つま先(というか足の指先)で移動するような、安定感のなさがある。頭が動くので、エイムがやりづらいし、ジャンプは段差すら超えられない。

また、銃撃を当てている感覚もあまりない。霧状の血が出るだけで、痛々しい声やひるむアニメーションがわからない。

シールドは敵の弾を防いでくれる便利なものだが、同様にこちらの発射した弾薬も止めてしまう。結局、プレイヤーにとってあまり有益にはならず、敵の所在を「確認する」程度しか役に立たない。確かに「受け止めている弾を直接敵に押し付けて攻撃する」「消費ゲージが満タンに近い時に弾丸をはじいて攻撃する」方法はある。しかし、距離のある敵には意味を成さない。シールドを張っても、集中砲火の中に突っ込むのは危険極まりなく、ゲージが切れたら地獄を見る。手当たり次第敵をシールドの中に入れて接近戦で殺す方法も、ノーダメージではいかないので、万能策ではない。

納得いかない爆死も多すぎた。爆破したドラムカンの破片に直撃して爆死、演出効果の爆発で爆死、爆破炎上し、回転しながら物凄い勢いで突っ込んでくるサイドカー付きオートバイに巻き込まれて爆死、もう爆死爆死のオンパレードである。単に爆発を連発させれば迫力が出ると思ったら大間違いである。Call of Dutyの演出と明らかに違うのは、あちらは多種多様な爆破効果音を緻密なタイミングで使用し、戦争の雰囲気を再現しているクオリティーである。一方これは、幼稚そのものである。バンカーのマップでは特にそう感じるが、ありったけのダイナマイトを持ってきて、それをプレイヤーの目の前で単にドッカンドッカン鳴らしてるようで、上空ではラジコンのような単調な動きの戦闘機が目障りに飛び回り、対空砲は戦闘機のいないあさっての方向を狂ったように撃ちまくっている。

またイベント的な爆死はともかく、通常の手榴弾も即死するほどの威力を持つ。敵の投擲は正確無比で、マップがゴチャゴチャしていると、識別に苦労する。このゲームでは敵を倒すと、武器はおろか、ポーチやシャベル類まで、まるで弾けるように落とす。「初めてのお使い」で子どもが買い物袋を道端にぶちまけるようで、物凄く違和感がある。その際、敵が投げた手榴弾なのか、死んで散らかったものなのかわからない。

こちらが手榴弾を投げると、敵がダメージを受けずとも爆風でひるんでしまう。その隙にできるだけ倒してしまう手法が取れる。しかし、投げるまでのモーションがもっさりしていて、投擲するまでの間、超速反応の敵に撃たれてしまうので、有効な攻撃手段とは言いがたい。

敵のモーションがややこしい。FPSでは、敵が倒れた時が「死」という慣例が多い。しかし、このゲームでは「所持品を散らかして倒れた時」が死んだ時である。何が言いたいのかと言うと、このゲームの敵は撃たれれば転んだように倒れ、また起き上がってくるのである。つまり、遠くや上方の敵は死んだのか転んだのかわからない。また激しい戦闘では、逐一殺したかどうか確認する暇がない。

エモーションシステムというものもあった。ナイフで3人続けて倒せばヘルスの最大値が2上がり、また3人続けてヘットショットを決めれば、シールド値が大きく回復する。アイデアとしては斬新かもしれないが、プレイヤーを「頭を狙わなければならない」と神経質にさせて好ましくない。

視覚エフェクトが過度で戦闘の邪魔だった。自分の武器のマズルフラッシュ、ダメージを受けた時の血糊、燃え上がる炎や火花、衝撃波などが、戦闘の邪魔になるほど目立っている。演出は、戦闘に支障が出ない程度に控えておくべきなのだが、一方で即死級の手榴弾がわかりづらいのは不満である。

SFの設定が生かせてない。青龍さんのレビューからの引き合いになるが、本来これはCODのようなゲームとなる予定だった。しかし、オリジナリティーがないので、急遽オカルト要素を含めたRtCW風に変更したらしい。アイロンサイト、NPCと共闘、手榴弾が即死、など本来CODにあるような要素が、このゲームに幾つも見出される。しかし私には、完全にCODを脱却してRtCWになりきれておらず、どっちつかずで最悪の結果とも感じられる。SF的要素を盛り込んだゲームなのに、クリーチャー(プロトタイプで蘇った死体はいるが、普通の人間に見える)の1匹、SF的な武器の1つ出てこないのは変である。

さて、ここまで痛烈に批判したが、今からゲーム性を簡潔に述べようと思う。シューターとしてはラン&ガン形式で単純。銃弾のばらつきも少ない。イベント的な戦闘が稀にある。マップとヘルス、目的地が表示されている。

序盤以降は難しい。死にやすいので、こまめなセーブが必要である。尚、パズルアクションや謎解きは一切なかったので余計単調に感じた。

総プレイ時間は10時間未満でクリアー。

人間の敵しか出てこないので残念だ。サイコエスパーのような兵士は出てくる。その辺に散らばっているオブジェを、プレイヤーの周りにぐるぐる回転させながらぶつけてくる。面白いと言うより、むしろ目障りだった。

武器に関しても、SF系のものが出てこない。そして、マシンガン系の銃が多く、差別化できていない。敵の超速反応のため、単発ライフルや火炎放射器などは全く使えない。全般的にMP40の弾が豊富なので、これを使わざる得ない。非常に有効な手榴弾も豊富にあるが、こればかり使うと単調になる。

CODのような大規模で激しい戦場は少ない。大抵は、個人や数人で敵施設に乗り込み、そこでゲリラ戦闘をする感じである。マップの雰囲気も単調である。大抵が「寂れた施設」で、工場や館であっても、印象は終始似通っている。パイプラインなど一部複雑な大型機材が置いてある屋外は、錆びれた感じが出ていて良かったが、室内はテクスチャの使い回しが多く感じられて単調だった。

グラフィックはロシア産にしては上出来だと思う。視覚エフェクトで戦闘に支障が出ているのは残念だが、火花や、フラッシュなどが印象に残っている。ダクト内の回転するファンから漏れるライトや、電光等の光もかなり綺麗だった。影は切っていたのでわからない。人間のモデルは、顔が人形っぽくていかにもゲームという感じ。服の質感などは良かったが、アニメーションがぎこちない。銃火器のモデリングはかなり凝っている。どんな物にも物理エンジンを適用していて、ちょっとした机やラックまで倒せる。これだと、下に埋もれたヘルスなどがとれなくなって非常に困った。

武器エフェクトが気に入らなかった。BGMは種類が少ないし作風にも合っていない。EAXが効いているはずだが、それほど反響音はかかっていなかった気がする。

私の環境では、Cドライブにしかインストールできなかったが、ゲーム中のクラッシュやフリーズは発生しなかった。ライティング設定を最高にすると非常に重くなる。大人数が戦った後、いろいろな物が散らかって負荷が大きくなる。

総評として、購入前に体験版をプレーすることを強く勧める。終始あのような感じで進み、マップやゲーム性に変化は見られない。プレー中に不満が蓄積するゲームだったので、気の抜けた遊びにもならなかった。

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