The Chronicle of Riddick: Escape from Butcher Bayレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

Starbreezeによって開発された映画の版権ゲーム(2004年発売)。現在このゲームは、新作Chronicle of Riddick: Assault on Dark Athenaに同梱されており、それに伴い新エンジンを採用し、バランスを調整してあるそうだ(私は未プレー)。現在GOGからダウンロード購入ができる。尚、このレビューは旧作のものなので、了承いただきたい。

私はこの映画シリーズを未見であるため、どの程度原作に忠実なのか、どこを題材としているのか判断できない。少し調べた限りでは、リディックは5つの惑星で指名手配された挙句、賞金首としてハンターに付狙われ、氷の惑星に隠れ住んでいた。そして、掛け金を上げた依頼人を返り討ちにすべく、惑星へリオンへ向かった。

ゲームのイントロは、その氷の惑星で謎の声と共に過去を振り返るようなムービーである。ゲームは刑務所に投獄されるシーンから始まり、秩序を乱して脱獄し、違う牢獄にまた投獄される。その繰り返しである。

題名に高々と脱出と書いてあるが、この「投獄→脱獄→戦闘」の繰り返しは戸惑った。というのも、このローテーションだと起承転結が曖昧で、いつ終わるか全くわからなかったからだ。いくつかの脱獄の後、突然ゲームが終わって面食らってしまった。ゲーム一番のハイライトシーンは、クリアーしてから「ああ、あそこだったのか」とわかった次第である。

字幕を表示できるが、会話量はそこそこある。投獄された時に、他の囚人から色々と依頼を受けるので、少し英文を読みこなさないといけない。ジャーナルに簡単な英語でゲーム目標が書いてあるが、固有名詞が人なのか物なのかわからなかった。

このゲーム性に関して、私は少々戸惑っている。これは紛れも無くシューターなのだが、完全なFPSとは思えない。なぜなら、色んな要素を雑炊よろしくごた混ぜにしているからだ。ゲームボリューム自体が短い上に、シューティングではない他のパートもいろいろ混じっており、プレイヤーが銃撃戦に興ずる時間が少ない。クリアーした後に「たくさん撃てなかった…」と不満が残ってしまった。投獄されると、リディックは脱出するため囚人を殺したり、共同で画策したりする。そのため刑務所のあちこちを奔走してミッションをこなさないといけないのだが、武器をもてないことに不満を持った。しかも、拳を振りかぶる行為さえ問答無用に撃ち殺されるので、余計窮屈に感じた。単純で限られた要素ではあるが、ステルスプレーを強要される部分もある。鉱山の前半部分は特にそうだろう。ストーリーの進行上仕方ない部分なのかもしれない。しかし「撃てない」というイライラは予想以上に厳しい。私はスタンガンで痺れさせ、踏みつけて殺すという法外なやり方で進めたが、それでも楽しいとは思わなかった。

しかしこの開発会社は、なんというか…わかっている。散々ステルスパートや会話パートで不満を溜めつつ我慢してプレーしたのだが、後半はアーマーやロボットに乗って「好きなだけ撃ちまくってください」的なゲームプレーに変化する。囚人との格闘もある。しかし、この格闘はCondemnedのように洗練されたものではない。ガードをしつつ相手の隙を突いて攻撃すれば間違いなく勝てるからだ。ドライバーやらメリケンなどの接近戦用武器も存在するが、シューティングのような楽しさはない。また、獄中のミッションをこなしてお金を手に入れる。それで接近戦用の武器を買ったり、衛兵を買収したりできるが、もともと会話部分が少ないせいもあって、上手く活用できていない。

ヘルスはブロック単位に分割されていて、そのブロック内だと自動的に回復する。プレー開始時は4つだが、アーケードゲーム機のような機材で6個まで増やせる。ブロック単位の回復はマップ内に点在するヘルスステーションで行う。Half LifeよりもSin: Episode 1のやり方に近く、アイテムを入れないと回復できない。ただ大抵のステーションは満タンに補充してあり、むしろその回復剤の入手が稀だった。

移動感覚は、すこしフラフラする(特にしゃがんだ時)。ただしロシア産FPSのような違和感はない。少しやりづらいと感じたのは、ラストのロボットの移動だろう。重量感はあってよいのだが、全幅が広く通路につっかえてしまった。

銃火器を持っても、照準がHUDに表示されない。だがダットサイト(ない武器もある)がその代わりとなっている。銃身の反動はなく弾が散っていくタイプで、遠くの敵を撃ち抜くのに少々苦労した。残弾は銃に表示してある。ミニガンは視点を下げないと残り弾数を見れないが、たっぷりあるので気にしなくていい。

強気で落ち着いた感じの主人公ではあるが、それほど撃たれ強くない印象だった。またリディックは撃たれても呻き声1つこぼさないし、HUDに血糊も表示されないので、撃たれている感覚に乏しい。また、敵もそのようなアニメーションやサウンドを発しないので、当てている感覚も貧弱に感じた。

総じて考えると、「よくばったゲーム」という感じがしてならない。プレイヤーによって「シューティングの他、こんな要素も入っている」と讃えるのか、「ストレスがたまるステルスや会話を入れるぐらいなら、潔く廃してシューティング部分を強化したほうが良かった」と批判するだろう。個人的に、シューティング以外の部分は、失敗とまで言わないがあまり活用されていなかった気がする。しかも「撃ち足りなかった…」という感覚もあったので、やはりシューティング部分を増やしたほうが良かったのではないか。

しかし、ゲーム後半になると装甲ライオットスーツや、ヘビーガードロボに搭乗できる。ここのパートだけは撃ちまくれると保証しよう。私がこのゲームを面白い感じたのは、9割ここのシューティング部分と思ってもらっていい。他のマイナーなFPSより頭2つ抜きん出ていて、楽しめること請負である。

戦闘、謎解き共に簡単で頭を捻るようなものは無い。困ったのはステルスプレーで、何度も守衛に発見された。

総プレイ時間10時間程度でクリアーした。

敵のバラエティーは単調だった。出現する敵の7割が看守で、しかも同じ武器を持っている。2割が警備用ロボットで、残りがモンスター。ずっと同じ敵だったので正直飽きてしまった。尚、一部の敵は無限リスポーンしていたが、それによって戦闘時間の水増しを図っていたようだ。ボスキャラも殆ど存在しない。

AIは中々優れているのではなかろうか。モンスターは死ぬまで突っ込んでくるが、看守の動きは中々良かった。積極的に攻めてくるというより、守りに徹した動きのようだ。撃てばカバーに隠れようとするし、ローリングで狙いをぼかして、リロードも一端引いて行う。ステルスとしてのAIも中々いい感じだった。死体を見つけたり、音や光でここが怪しいと調べまわる。感度もそんなに敏感ではなく、私でもやり遂げられる程度。

武器は豊富ではない。接近戦用の武器は違いがわからず、出てくる機会も少なかった。銃火器はハンドガン、ショットガン、アサルトライフル、ミニガンとスタンガンのみ。ロケットランチャーなどの強力な武器は出てこないが、警備ロボットはライフルで倒せるようになっている。

アイテムは、ミッションをクリアーするためのアイテムの他、ヘルス缶とシークレットのタバコぐらいしかない。尚このタバコは収集する事でゲームのコンセプトアートなどを閲覧することができる。

基本的に牢獄や鉱山が主となり、色彩華やかな場所は皆無である。世界観を含めてあまりこのデザインは好きになれなかった。起承転結がわかり難いと先に述べたが、それは似たようなマップが延々と続いているせいもあっただろう。このゲームは大きく3つのチャプターに分かれる。しかし、その内の2つは似たようなロケーションと考えていい。一転するのは冷凍ピラミット(別のゲームと思えるくらい)からなのだが、すぐにもとの色調に戻ったかと思うとゲームが終了した。

このゲームは、リディックのゲーム化というより、Doom 3エンジンを改良したゲームということで話題になっていた。まず特記すべき点はその軽さだろう。私の環境で最高設定にしてもそれほど重く(シェーダー2.0+でライトをつけると少し重くなった)なかった。また鉱山やら牢獄やらビジュアル的に土色の場所を描いているものの、後発のD3エンジンゲームに劣らない出来具合といってよい。見てくれとして一番近いのはQuake 4だろうか。

世界観は好きになれないと述べたが、造形も気に入らなかった。看守はゴテゴテした装備で好きになれない。俳優ヴィッセルは似せて作っているが、そのほかのキャラはゲームっぽい顔になっていた。ロボットの造形も好みではなかった。

グラフィックを最大に上げると、セルフシャドーになるらしいが、D3のように意図的に影をプレイヤーに見せようとしている作りではなかった。あと配慮が伺える点として、暗所に行くと自動的に画面が青み掛かって、明度の調整を図ってくれた。

戦闘部分ではない会話パートで、牢獄をあちこち走り回るのだがロードが多すぎる。区画ごとにロードになって面倒くさい。一方で戦闘のパートではある程度進まないとマップ読み込みは無い。

EAXに対応したゲームで、中々のクオリティーである。普段のBGMは環境音だが、ダイナミックサウンドを採用しており戦闘になるとそのような曲調に切り替わる。しかしこの1曲を最後まで聞かされても困る。銃火器のエフェクトは及第点。声優も普通の出来だが、リディックの声が非常に聞きづらい。痰が詰まったようなゴロゴロ言う唸り声で、ノンネイティブの私にはわかりにくかった。

私の環境で起こった不具合を記す。まずパッチを当てないと、ドライバーがOpen GL 1.3以上サポートしていないと表示され、起動すらできない。ゲーム中に、運搬用エレベータの扉が開かないことがあった。また、冷凍セルというマップで、ムービー後に真っ暗になった。暗所も見える能力だが、壁に近づくと真っ暗になるのは仕様だろうか。あと、キューブ状のメニューは見難かった。最後に、明るさの具合が微妙。ナイトビジョン的な能力を使うと明るすぎて、使わないと暗すぎるマップが多い。リディックはその青い目になってから、通常の光度は明るすぎるためグラスを掛けたとあったが、それを意図的に再現しているのか。

このゲームは2004年に発売されたが、この年はHalf Life 2とDoom 3が発売された年でもあった。完全にそれらに隠れてしまったゲームだとレビューで拝見したが、そうかもしれない。映画とタイアップするためにあえてその時期にリリースした(版権モノは映画とのタイアップ時が一番売れる)のであろうが、それが仇となったようだ。シューティングの不足はともかく、ゲームの質としてはしっかりできてる。駄作が多い版権モノのなかでは、よくできたゲームだろう。

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