Boiling Point: Road to Hellレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2005年に発売されたオープンワールドFPS。現在Atariのサイトなどでダウンロード販売しているようだが、日本からの購入を受け付けてくれるかどうかは不明。

記者メイヤーの娘がコロンビアで失踪したため、貴方は捜索しなければならない。失踪した町にたどり着いたところからストーリーは始るが、娘が探っていた取材内容に大きな陰謀が隠されていた。一見普通のFPSだが、最後には突飛な内容となって呆れてしまった。

英語は、長文を読解する根気が必要だろう。色々なNPCと相当な会話を行うからだ。会話ログは残るが、全文を読み解くためにゲームプレーを中断しなければならなかった。大まかの内容は把握したつもりだが、読解中はイライラしていた。一方、ミッション目標の英文は容易である。

会話で選択肢が出てくるが、その一番上の選択肢は、「相手に対して同意・譲歩」である。NPCと会話する際に、選択肢によってミッションに変化があるか否か確認したが、重要キャラにおいては分岐などは発生しなかった。ただ、全てのNPCで試したわけではないので、確証はできない。

Grand Theft Autoシリーズ、もしくはマーセナリーズのような箱庭系アクションゲームがあるが、大方あれらと似ている。資金調達や特定勢力との友好度を深めるため、あちこちでミッションを受けに行く。

ミッションは、「娘に関するメインミッション」と「特定の勢力からのサイドミッション」と2つに分かれている。前者のミッションを達成するには多額の金が必要となるため、後者のサイドミッションを達成して貯金していく必要がある。

マップで各勢力(政府・ゲリラ・マフィア・盗賊・インディアン・CIA・市民)が争っているため、AIが道路を挟んで銃撃戦を繰り広げ、ヘリが空中戦を展開している。プレー開始直後、プレイヤーはどの勢力とも中立なため、自分の好きな勢力にサイドミッションを貰いにいくことになる。無論従事した勢力とは友好関係になるのだが、目標となった勢力からは敵とみなされる。険悪な関係の勢力とは、発見されただけで銃撃を受け、獣道では奇襲を受ける。

勢力図は、単純に政府とCIAがマフィア、ゲリラ、盗賊と対立しているのではなく、複雑な関係を持っている。政府の要人を殺せば、確かに悪漢共の友好度は上がるのだが、CIAやインディアンには変化が無い(市民は下がる)。逆にマフィアを殺しても、政府やゲリラや盗賊たちの友好度も上がっていく。そのため、ある勢力がどこと対立しているのか知るのも重要だ。

このゲームでは、金は非常に重要で、良い装備のため多額の資金が必要である。「敵勢力の人間を殺したら、死体の横に金が出てくるのでは?」と考えるかもしれない。しかし、このゲームでは市民を含むAIを殺しても、1ペソだって出てこない。しかも街中で迂闊に発砲すると、市民は怒り狂ってプレイヤーに攻撃を加えてくるので容易に発砲ができない。市民を殺すと、市民との友好度は大きく下がるので、安易に殺せない(子どもは無敵)。市民の友好度は非常に大切だ。もし彼らとの友好が低いと、物品の値は高騰し、売値はスズメの涙程度になる。そして市民からのミッションも拒否される。こうなった場合は、自分の友好度の高い勢力の医者や武器商人に頼る。

可能な限り市民を殺さないようにしていたが、インディアンのミッションで、市場にいる市民や車を焼き尽くすミッションがあった。なぜか市民だけはステルスで殺す事が出来ないし、一端下がってしまった市民の友好度を容易に上げるのは難しい。(盗賊を皆殺しにするとか、銀行で孤児院に寄付するとか)他の敵対勢力は、各代表が酒場にいるので、話しかけて金を渡せば若干であるが友好度は回復する。

私は政府側についてプレーしてみたが、羽振りが悪くかなり苦労した。法外に高いアイテムや車のために、資金を割り振らないといけないからである。敵対勢力が乗っている車を強奪して、そのままディーラーに売るというアイデアは通用しない。なぜなら、このゲームでは簡単に車を強奪できないからだ。意図的にそうしているのであろうが、なぜか(安易にプレイヤーが強奪しないようにするため)友好度の高い勢力が乗っている車しか走っていない。運良く敵対勢力の車を強奪してディーラーに持っていっても、「盗難車は警察のガサ入れが怖いから、パーツにしか使えない。10ペソで買い取る。」と言った具合である。

サイドミッションを達成する他、地道な作業で金を稼ぐ手段もある。道路で各勢力が戦っていると述べたが、そこで死んだAIから物品を頂戴して店に転売するのだ。自分の持ち運べる量は限られいる(限界値に近いと、移動力が低下)が、車のトランクに、銃火器などを大量に詰めて、友好度の高い勢力の武器商人たちに高値で転売すればいい。

サイドミッションは基本的に「敵対勢力が陣取る場所に行って、~を壊すまたは暗殺する」というのが大半を占める。後半になると「ステルスで侵入してボートを盗む、または会話を傍聴する」などが出てくる。夜行くか、昼行くか、ステルスで目標を達成するか、正面から皆殺しにするか…というスタイルはプレイヤーに任されて自由度が高い。ただ、相手をあまり敵対関係にしたくない勢力だった場合、敵兵1人の殺害すら関係悪化となるので、必ずステルスになってしまう。

このゲームにはRPG要素があるのだが、具体的にはプレイヤーの身体能力を指している。物品を持ち運べる量、銃火器の正確性、商売交渉術、体つきなどである。他、薬品、酒、麻薬に対する依存度という概念があり、特に重要なのは薬品依存度だろう。ヘルス回復に注射を使用するのだが、使用を重ねるにつれ依存度が高まり、回復量が激減してしまう。この依存は医者から有料で直してくれる。ちょっとしたダメージは睡眠で回復した方がよさそうだ。夜に行うミッションでは、昼間寝て時間を進めることができる。(時間が経つのは遅いし、時間帯によっては施設は閉まっている)

プレイヤーの部位は頭・体・両手・両足とヘルスが分かれている。手を撃たれれば銃の射撃精度が下がり、足を撃たれれば足を引きずったような移動感覚になる。(難易度ノーマルではヘッドショットを喰らわない)

余談になるが、ステルスミッション中に離婚した妻から電話が掛かってきたり、雨が降るとクシャミをしてヘルスが1下がったりする。しかも敵に見つかったりするので、他のゲームには見られない要素だった。

ゲームはとっつきやすい。広いマップを行き来するゲームだが、目的地などはきちんとマーカーが表示され、武器や乗り物のヘルプもゲーム中に出てくる。謎解きも一切ない。ただし最終パートだけ、オーソドックスな一本道になっている。

一方、戦闘はシビアで、接近されて撃たれると直ぐに死んでしまう。そのためアーマーを着用して、遠距離から撃ち合う。最後の戦闘は非常に厳しい。というか、ありえないバランスで辟易した。

総プレイ時間は、40時間ほどだった。単純計算でミッションは全部で250個ほどあるようで、(もちろん、友好関係で全てを一気に引き受けるのは不可能)他にもシークレットミッションなども存在するようだ。1回しかプレーしていない私は、半分程度しか引き受けていないと思う。

敵は兵士や乗り物である。AIはお世辞にも賢いとは言えなかった。常にフルオート連射してくるが、遠距離だとほとんど当たらない。チョコマカ動き回って、精密な狙いを外してくるが、遮蔽物の無い場所に座って撃っている。一応障害物の後ろに隠れるようだが、よく考えての回避行動を取っている様子ではない。グレネードの投擲は正確で、逃げないと即死する。(叫ぶから容易に判別可能)ただ、こちらのグレネードには反応しない。

昼夜でその認知力が異なり、しゃがんでいると更に見つかりにくくなる。「いま敵がこちらを向いていて、このままだと暴露される」という親切な表示があるので、ステルスミッションでは重宝した。死体を見つけると、不審がって基地内を捜索する。例えば友好的な組織の要人を殺す必要がある時、こちらの身元がばれていなければ友好度を下げずに殺せる(市民以外)。ただ一発で即死させないと、どんな場所に隠れてようが身元がばれてしまう。また完全ステルスでミッションを成功させても、報酬を貰う時点でその勢力と関係が悪化するので、注意してもらいたい。

友好度が低い勢力には、「撃つな、お前の指令官に重要な積荷を持ってきた。」と嘘をついて通行することができるようだが、成功した試しがない。

蛇や虎や蜂といった野生動物が存在して、しばしステルスミッションで面倒を起こす。川に潜れば、魚がたくさん泳いでいる。それらをナイフで殺して、店に売ってもいい。ただ、ピラニアが襲ってくるし、魚の売値は安すぎるので効率は悪い。

普通のFPSより、大量の武器やアイテムが存在している。各武器には通常弾の他3種類の特殊弾薬を装填することが可能で、例えばサイレント弾はステルスミッションの際に重宝する。面白いアイテムにジャムがある。単なる回復アイテムと思っていたのだが、投げた地点に蜂の大群が群がって、近くのキャラに襲いかかる。蜂で殺害しても友好度が減らないため役に立つが、敵は自分を撃ってくる。他、酒を飲んだら画面に油膜のようなエフェクトかかってまっすぐ歩けない。麻薬を打っても画面が変になるようだ。

各銃火器には消耗度があり、これが酷いと頻繁にジャムを起こして、とても戦闘では使えない。先ほど金を得るため死体から銃火器を奪ってそれを売ると書いたが、ここで拾った銃火器は酷く痛んで使えないからだ。戦闘を優位に進めたいなら、高値の新品を買うしかない。またこれら武器は、MODを組み合わせる事によって、装弾数、射程や発射レートが向上する。

車のドライビング感覚は悪い。操作自体は非常に簡単だが、ステアリングやタイヤの接地感覚がなく、非常にぎこちない。ヘリや航空機、ボートも同様である。なお、私がプレーした限りでは、戦車に乗り込む場面はなかった。

1つの巨大なマップ(25km×25km)が舞台となる。しかし、延々と同じような景色が続くため、バラエティーは皆無である。街は2つしかなく、他は同じようなジャングルや山脈ばかりだ。しかも、マップのパーツをコピーアンドペースしているようで、前半からだれてしまうだろう。森の中に廃墟や勢力の基地が点在して、そこからミッションや報酬を受けるのだが、途中の移動が本当に面倒くさい。

グラフィックの負荷は重い。というのは、ロードなしで全てのマップを読み込んでいく仕様(前進するにつれ前方のマップを徐々に読み込む)で、街に来るとハードディスクが読み込みだしてフレームレートが一桁に下がってしまった。そのため、街中での戦闘は不愉快極まりない。メモリを1Gに増やしてみたが、症状は改善しなかった。2Gまで増設すると快適になるという情報があり、ハイエンドモデルの環境でなければ快適なプレーができないと思われる。

グラフィック設定を下げても際立った改善は見られなかった。LODと描写距離を最低に下げたらFPSが向上するという情報や、ハードディスクのデフラグをしたほうがいいと聞くが、効果があるのかは疑問。私はBLOOM、影やダイナミックライティングを切っていた。またトリリニアフィルタリングと異方性フィルタリングも比べてみたが、重さや綺麗さは変わらないように思えた。

モデリングやアニメーションは並以下。しかも同じキャラクターモデルがいたるところで流用されている。オープニングムービーと実際の出てくる娘の姿が別人のようで呆れた。

BGMは現地の雰囲気がよく出た音楽が流れている。しかし、ずっと同じ音楽を聞く羽目になるので、後半は飽きてしまうだろう。個人的には山岳で流れる曲が気に入っている。

銃火器エフェクトはなかなか良い。重低音の響いたものになっていた。しかし、道を挟んで勢力同士が戦っているところは、かなりうるさくなる。

会話は現地語が混じっているが、字幕があるので問題は無いだろう。

かなりの数のバグがまだ存在しているが、もうパッチの望みはないだろう。私の環境で発生したバグを簡潔に書く。自家用車が消えて、ジャングルの奥地から延々と歩いて帰ることになる。ミッションを達成しても項目から消えないことがある。町の人が空中散歩する。車に乗っているAIがスタックする。この中で、車や乗り物の消失するバグは、最新のV1.1パッチで直っているようだ。

不具合とは別に、不満も沢山ある。車道を歩いていると、AIがブレーキを掛けずに轢いてくる。ねずみや空を撃っただけで、市民は襲い掛かってくる。金を収集する手段が、あまりにもシビア。暗闇でもAIの射撃能力は下がらない。わざわざ依頼主の場所に戻らないとミッション報酬を貰えない。市民との友好を上げる手段が少ない。各勢力と仲良くなっても、明確なメリットの違いが出てこない。

総評として、1回プレーしただけでお腹一杯になってしまった。バグが残り、ゲーム内容もそれほど面白いものでもなかったので、2回目をやろうという気力はない。あまり人に薦めたいとは思わないが、興味があれば買ってもいい程度のゲームだろう。

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