XIIIレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2003年に発売された、同名コミックのFPS。ヨーロッパ圏では大変人気だったらしいが、日本での知名度は低い。ダウンロード販売は見かけないが、リテールの完全日本語版がまだ若干残っているようだ。

FPSのストーリーは、SFか戦争物が定番だが、本作品は現代サスペンスとなっている。一見したところ地味ではあるが、シックで大人びた風格を感じさせ珍しい。簡潔に記すと…浜辺に打ち上げられた男は記憶を失っていた。彼は米国のジェリダン大統領を暗殺したかどで、当局やギャングに追われる羽目になる。プレイヤーは身の潔白と、合衆国の裏に存在する組織の陰謀を明らかにするために奮闘することになる。手がかりは13という刺青と、銀行のキーのみ…

漫画のように、多数のコマを割いてストーリーが進む。テンポがよいが、いかんせん私のようなネイティブではない人間には速すぎる。そのため一度ストーリーにおいていかれると、追いつくのは難しくなるかもしれない。また話そのものも複雑である。一方、ゲーム内で喋る英語はむしろ簡単で、ゲーム進行につまずくことはなかった。

FPSとしてのゲーム性は、オーソドックスである。ゲーム特有の要素として、フックを使ったアクションが搭載されている。これは、特定の箇所にフックを引っ掛けて登ったり降りたりするもの。それ以外、移動力、敵の数、移動の感覚、敵の射撃密度など、特筆すべき点はないが、簡潔に記しておこう。銃の集弾性は悪く、連射武器を使って遠距離の敵を倒すのは不効率。ダメージの量は大きく、アーマーを着ていても無茶ができない。後半はステルスパートが大きく占めるので、鈍器を使う必要がある。一部のステージでは、人質を盾にして、敵の発砲を抑制できる。

オートセーブのみなので、ゲームは難しい。一部の場所では、このおかげで弊害が出ていた。例えば、「オートセーブ→進む→回想シーン→ボスとの戦闘」という場面があるのだが、ボスが異様に強いので、殺されるたびに回想シーンを見なければならず閉口した。ステルスミッションでも似たような問題があった。ゲーム後半では、アラームを鳴らされると即終了というマップがいくつかある。何度も最初からやり直しとなって、萎えてしまった。

総プレイ時間は20時間程度。本当はもっと短いはずだが、やり直しでかなり時間を費やしてしまった。

敵は人間のみで、モンスターおよびロボット等は一切出現しない。一度だけヘリと戦うが、強大な敵はそれくらいだろう。マップとシチュエーションが楽しかったので、飽きることはなかった。

AIは物陰に隠れて撃つ、他AIが倒れると警戒する、アラームを鳴らしに行く等、賢い動作をする。またスタック等の不自然も特に見当たらなかった。射撃の密度も、ボス以外は適当と感じた。ステルス時のAIの行動も、それほどシビアな反応は見せない。監視カメラも、コントロールルームで見ている人間を気絶させれば悠々と歩ける。

武器に関しては、特に変わった物はない(ライフルグレネードの飛翔の遅さが気になったが…)。ステルスミッションでは椅子やモップで殴って気絶させる必要がある。ヘルスは使いたい時に使える便利な仕様。ユニークなアイテムは、先にも述べたフック。高いところから降りたり、スイングして向こう岸に飛びわたったりする。

マップは、かなり多くの場所を訪れる。特に奇抜なものはなかったが、ロケーションの多さで勝負している。

このゲームの最大の特徴はトゥーンレンダリングだろう。モデリングした立像に、アニメ調のテキスチャーを貼っている。単色の塗りつぶしで大味と感じる人もいるかもしれない。しかし、このレンダリングは、日進月歩のグラフィックテクノロジーの世界において、古めかしく見えない利点があると思う。相対的に美しくないと思うが、慣れてしまえば、この描写的欠点はわからなくなる。

そのほか、このゲームは効果音を見ることが可能だ。漫画に「ドドドドド…!!!」という音が描いてあるように、このゲームにもそういう文字が描写される。爆発時には「BOOOM!!!」、ステルス時に警備員の足音がディスプレイに「TapTap…」と表示され、迫力を出したり、ステルス進行の助けとなっている。またキャラの会話も漫画のように吹き出しが出て、敵が死ぬシーンなども、わざわざ三つのコマが出て、漫画チックに「Arrrr…」と字幕付で落ちていく。他のFPSでは類を見ない演出だ。製作に当たって原作を意識したのだろう。

ゲームの進行に親切である点も注目したい。フックを使わないといけない場所、目標を達成しなければならない場所、急に出てきた敵スナイパーなどに、プレイヤーがすぐ気づくよう枠が表示される。これはゲームを簡単にしてしまうかもしれないが、漫画の主人公らしく、突然の危機にもすぐに機知を巡らして難関を突破できるスリルをプレイヤーに味わって欲しいという製作者の意図だろう。

武器サウンドは並。一方で、人が死ぬシーンの音などの効果音の使い方はうまい。BGMは洒落たジャズが流れる。大人の落ち着いた雰囲気の音楽は好みの分かれそうだが、作品に合っている。

フックをあまりにも勢いよく振りすぎると、切れてしまうのは仕様なのか。他、刑務所内で最初から浴室まで連行されるシーンがあるのだが、後ろの警官がついてこないと前の警官が進まなくなるバグがあった。

総評として、今現在でも、その個性が目立つ存在であることは間違いない。トゥーンレンダリングは、後にBorderlandsで一般的になったが、こちらの方が戯画テイストが強い。肝心のゲーム性は、オーソドックスでこれは特徴が無いと批判されるか万人向けと評価されるかは個人の判断に委ねられるだろう。個人的に感じたマイナス点は、オートセーブや、強すぎるボスだけで、他はそつなくまとまっていると感じた。

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