The Sufferingレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2004年に発売された、Surreal SoftwareによるTPS。このゲームは非常に強烈なゴアと汚い言葉で有名である。2008年にフリーウェアとなったが、合衆国空軍アドウェアが仕込まれているらしく、オンライン接続が必須である。ただ、残念なことに現在その無料配布は終了している。Steam等のダウンロード販売は見かけず、中古のリテール版がいくつか出ている程度だ。

ストーリーは、アメリカ合衆国メリーランド州カーネイト島にあるアボット州立刑務所に、主人公トレックが収監された所から始まる。彼は元妻と2人の子供を殺害したかどで訴えられていた。彼が牢屋に入れられた直後に地震が起こり、悪霊やモンスターが出現してしまい、刑務所は阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまう。トレックは、モンスターの襲撃を振り払って島から脱出しなければならない。

ゲーム性はバイオハザードのようなアクションホラーゲームだが、固定カメラではなく、常に後頭部後ろからの視点となる。一応、一人称視点に切り替えることも可能だが、視野角が小さく、またマウススムーズが利かない。そのため、至近距離のエイムや精密な射撃が困難になり、後方や天井から迫る敵にうまく対処できない。また、この一人称視点ではドッジング(横っ飛び)ができない仕様で、遠距離攻撃が避けれなくなる。FPSプレイヤーへの呼び水にしたつもりだろうが、この制限では納得がいかない。

ゲームはホラーとも銘打っているが、実質的にはアクションで、出てくる敵を薙ぎ倒しながら進んでいく。弾薬もヘルス(ストック式)も多目に置いてあるので後先考えずに戦えるが、トレック自身は打たれ弱いので、ヘルスだけは注意しておかなければならない。序盤は武器が揃わないので、雑魚敵でも割と多くの弾薬を撃ち込む必要がある。終始アクション性は一定して高く、戦闘は非常に面白い。

基本的に銃火器と接近戦用の武器で戦うが、トレックは途中からモンスターに変身できる能力を取得する。敵にダメージを与えることで狂気メーターが溜まり、これが最大値まで上がると変身できる。この状態では接近攻撃のみになってしまうが、非常に強力で数発で敵を粉砕してしまう攻撃力を持つ。しかし、画面にブラーとスローモーションが掛かって見難くなり、またこの状態でもダメージは普通に受けてしまう。いい気になって突っ込んでいくと、敵は倒せてもこちらも大ダメージを食らっている状態で、結局ヘルスの無駄遣いになってしまう。また、変身中は狂気メーターを消費し、これが無くなると今度はヘルスを消費してしまう。これに気づかず長時間変身して戦っていると、突然死んでしまうこともある。以上のような厳しい制限で、あまり使い勝手がいいとは感じず、銃火器でチクチク倒した方がリスクが低い。

進行や謎解きはヒントがなく、全て自分で考えなければならない。進行の障害を取り除くのもあれば、敵の倒し方、無限に敵が沸いてくる場所を封鎖する方法など、何かと難しいものが多い。

進行の途中、プレイヤーは何人ものNPCに出会うが、彼らの懇願を聞いて脱出させるか、それとも利己的に振る舞って犠牲とするかによってエンディングが変わってくる。

難易度はノーマルでプレーした。プレーの7割が戦闘だろうか。

先にも述べたが、進行や謎解きはヒントがないので、「どこそこへ行け。」というような指示目標すら出てこない。そういう意味合いで英語力は不要になるのだが、逆に不親切である。ゲームは一本道なので迷うことはないが、謎解きには頭を使わないといけない。

このストーリーは複雑ではないが、FPSやTPSのジャンルに限れば、かなりの英文量を持つゲームの一つになるのではなかろうか。字幕を表示させることはできるが、スピーチはかなり早くてしかも汚いので、リアルタイムでストーリーを理解するのは相当の英語力が必要になるだろう。また、戦闘中にもペラペラ喋りかけてきて、こちらはそれどころではない。正直、私の英語力では手に負えず、ゲーム攻略に必要な英文以外は完全に聞き飛ばした。

海外のレビューに、プレー時間が短いという批判があるが、私の場合20時間を超えた。

出現するモンスターの造形、アニメーション、攻撃方法が多彩で、どれも個性があって素晴らしい。例えば、プレイヤーがよく遭遇するスレイヤーというモンスターを紹介しよう。手足の関節から刃物が突き出ていて、闊歩するたびに刃物がコンクリートに掠れる音を響かせる。地面だけでなく天井にも張り付いて虫のように這い回り、関節を逆に曲げて突っ込んできて、頭を吹き飛ばしても(プレイヤーがいる方向を見失う芸の細かさ)襲ってくる。攻撃方法も多彩で、手の刃物を地面に擦り付けつつ(ちゃんと火花が飛び散る)振り上げたり、ストリートファイターのベガよろしくサイコクラッシャーも使う。天井にいる時は、足の刃物を振り子のようにして攻撃する。

一方モンスターだけでなく、他の人間も基本的に敵である。看守とモンスターが戦っているシーンを時々見かけるが、元囚人のプレイヤーにも容赦なく襲ってくる。また囚人同士も口論となって殺し合いを始めることもある。ただ全員が敵ではないので、親しげに話しかけてくるNPCは味方となる場合もある。

AIは死ぬまで攻めてくる単純なもの。ただ、パスはしっかりしているようで、小部屋にある固定機銃で大ホールに降りてくる敵を蹴散らしていると、モンスターはきちんとプレイヤーを認識してその小部屋に入ってくる。一方人間の敵は、特に賢い行動をとっている様子はなかった。敵のスポーンは完全にスプリクトで、今まで来た所に戻っても敵が再び出現する(例外を除く)ことはない。

ナイフ、ファイアアックス、リボルバー、ショットガン、マシンガンの5種類で、ロケットランチャーやグレネードランチャーなどの強力な武器は存在しない。シークレットとして火炎放射器があるのだが、これは部品を組み合わせて作る必要があり、燃料も少なめ。火器の集弾性はあまり良くなく、遠距離の敵には当てづらい。一体倒すための消費量を考えると、できるだけ接近して無駄を少なくしたい。Alt Fireで榴弾を投擲するのだが、こちらはグレネード、火炎瓶、TNT、フラッシュバンが使用可能。

アイテムは弾薬とヘルス、あとはライトのバッテリーぐらいか。鍵などは存在しない。

10つのマップに分かれているが、プレーは完全に一本道で分岐点などはなし。刑務所とその付近を走り回ることになるのだが、バラエティーは少なめで色彩も単調。これはモデルとなった刑務所や島の映像がそんな感じだったのでしかたないだろう。ただし雰囲気はよく再現できている。個人的に印象的なマップは診療所。

ゲームは最後まで夜が続くので、電池式のライトを照らして先に進む必要がある。電池は9個まで保持可能で、そこそこ手に入るので困らない。室内だとスイッチで電灯を点せることもあるし、屋外だとフレアを使うといい。終盤は洞窟など、ライトが必要になる場所を通るので、無駄に消費しておくと苦労するだろう。

グラフィックはコンシュマーからの移植であり、PC版に向けて特別にチューンをしているわけではなさそうだ。テクスチャフィルタリングはTrilinerまでで異法性フィルタリングはなし。FSAAは4倍まで、影はプレイヤーか全てに設定可能。一人称視点にすると荒さが目立ち、Painkillerを見ているとやはり見劣りする。当時の環境でも快適にプレーできたのだが、刑務所内のシャワー室でフレームレートが一桁に落ち込むことがあった。

サウンドはEAXに対応している。銃火器のエフェクト音は及第点レベルだが、環境音の音楽は良かった。BGMは戦闘の時にかかる。

毎回ゲームを起動すると、インターフェイスのボタン部分が正しく表示されなかった。画面のアスペクト比を再設定すれば表示されるが、原因は不明。他、当時の環境では、プレー中やセーブ直後に画面がちらついて固まる不具合に悩まされた。ドライバーを変えたりパッチを当てても直らず、最終的にセーブファイルが壊れしまった。新しいグラフィックカードにして再プレーしてみると、特に問題は発生せずスムーズにクリアーできた。

これはバグなのかわからないが、味方AIを連れて歩くパートで、上手くついて来ないままボス戦(囚人が逆さ釣りにされて蜂の巣にされる場所)に突入してしまった。イベントが終わって戻ろうにも、ドアは開かずそのAIとはそれっきりに。

総評として、グラフィック、一人称視点でのマウス操作に難があるが、モンスター、ゲーム性、雰囲気と演出は非常に良く出来ている。激しい戦闘が好きな方にはお勧めの一本である。

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