Nosferatu: The Wrath of Malachiレビュー

注意:このレビューは、以前私のサイトで掲載していた過去のレビューを修正加筆したものです。ゲームに対する考え方等は、できるだけ執筆当時のままにします。

2003年に、スウェーデンのIdol FXという開発元からリリースされたホラーFPS。僕は体験版をやってこのゲームの虜となり、リリースされるや否やすぐ購入した。結論から述べれば、ホラーFPSとしてこれはもっとも素晴らしい出来具合(当時)だと思う。黒々としたグラフィックに卓越したサウンドが融合し、見事にホラーゲームの体を成している。ドラキュラという存在は、一部が安っぽいキャラクターで俗悪に腐らせてしまった感があるが、そういう偏見を捨てて体験版をプレーして欲しい。現在Steamにて安値で購入可能。

ストーリーを簡潔に説明すると、落ちぶれた英国貴族のパターソン一家の娘レベッカが、ルーマニアのある伯爵と政略結婚する事が決まった。レベッカとその家族がその伯爵の城に向かったが、彼は吸血鬼で、家族全員と捕らえてしまう。伯爵の目的は、その城に封印されている吸血鬼王を復活させる事であり、生贄として家族17人の血が使われてしまう。プレイヤーは一家の長男となって、家族全員を救出しなければならない。

基本的に英語力は不要で、マップ内をくまなく探し回れば特に問題ない。ドキュメントなどもあるが、これはパスしても構わない。注意しておかなければならないのは、いくつかゲーム内で鍵を発見しても、「どこにアクセスできるようになった」と把握しにくい事だろう。マップを注意して読む必要がある。

このゲームは、他の「トリガーで沸いてくる敵を蹴散らしながら、どんどん先に進んでいく」FPSとは根本から異なっているので注意が必要だ。一見して通常のFPSと変わらないようだが、このゲームはマップが自動生成される。もちろん新たにプレーを開始する場合であって、昨日セーブしたマップと今日ロードしたマップが異なる事は無い。ただ、この自動生成は部分的で、根本的な構造は変わらない。廊下のような要所を接続するルートが変わっている程度である。

プレイヤーの目標は、妹を含む家族全員を救出することで、ミッション途中に何かしら新しい目標が入ることは無い。 ゲームは22:00辺りから開始され、一定の時刻が過ぎる(0:00になると雑魚敵が強力になる)度に人質が次々と生贄とされる。プレイヤーは行動できる範囲で、ランダムに配置された家族を発見し、スタート地点である安全地帯まで連れて行く。無事に連れ帰ると彼らからボーナスアイテムを貰う。もし救出に失敗し、生贄にされると(道中で殺されても)、その血はラスボスの力となり、最終決戦でそれだけ不利になってしまう。その為、ゲームは緊張感のある(悪い意味でせかされる)ものとなり、悠長にマップを散策している暇は無い。そこまでシビアなスピードを要求させられるわけではないが、何となく急ぎ足のプレーになってしまう。ある程度進むと、鍵などが手に入り、今まで閉ざされていた扉が開くようになる。そこでも家族が捕らえられているので、殺される前に救出しなければならない。この救出戦術はプレイヤーに委ねられており、各人を発見する度に安全地帯に連れて行くのか、近辺一帯の家族を全員発見するまで、味方AIを連れて歩くのか決めなければならない。前者だと確実に時間のロスになり、後者では道中AIがスタックしたり殺されてしまう危険性がある。

作風は完全なショックホラー系で、城内はほぼ闇に包まれている。モンスターは角や天井、床下といやらしいところに隠れていて、プレイヤーを驚かせるだろう。ダンジョンに潜る様なゲームだが、もちろんイベントや小ボスといったものも含まれており、これらが小気味良いアクセントになっている。是非、夜中に真っ暗闇の部屋でヘッドフォンを付けてプレーする事を推奨する。きっと何度か椅子から飛び上がるほど怖い体験を味わうだろう。一寸先は闇という言葉が適当な、本当に奥の部屋には何が待っているのかわからないゲームだ。また、ムービー等もかなりセンスがよく、恐怖感を煽っているには十分合格点が与えられる。

ここでは戦闘について述べてみよう。この手のホラーはプレイヤーが強力なアクション系か虚弱なアドベンチャー系に分けられ、それによってずいぶんゲームプレーが変わってくる。僕の印象としては、かなりアクション系のテイストが付けてあるように思う。ただDoom 3のように次々とモンスターを撃ち殺していくような豪快さは無く、きちんとホラーゲーム内に収められていて好印象だ。最初の主力武器は剣なので、ダメージ覚悟の肉弾戦が必須である。加えて、プレイヤーの動きが遅く、マップも暗いので、普通のアクション系FPSと比較すると、かなり戦い難いだろう。それに対して敵の移動スピードが速いので、容易に接近を許してしまう。ヘルスは大量に置いてあるが、敵のダメージが大きく、複数で出現(しかも不意打で襲い掛かる)すると対処が難しい。ゲームをある程度進めると、銃火器を入手するが、リロードが長く連射が不可能で、あまり難易度が下がることは無い。単発式ライフルよりリボルバーやマシンガンが非常に役に立つ。

このリロードに関して注意が必要だ。 例えばリボルバーに2発残って、手元に3発あるとしよう。普通のFPSでリロードすると、計5発装填された状態になるが、何故かこのゲームでは手元の3発だけ装填し、薬室内の2発分は捨ててしまう。 ライフル銃も同様で、既に装填済みの銃を再リロードすると、なぜかその薬室内の弾薬は捨ててしまう。このゲームではそれほど弾が手に入らないので、希少な弾薬を気づかず無駄に捨ててしまうことがある。

難易度はボスや一般の敵の出現頻度で変わってくるようだが、慣れない内はイージーでも難しいだろう。僕もそれでプレーしたが、そこまで切羽詰ったことはなかった。15時間程度だった。

モンスターはどれも似たり寄ったりで、死ぬまで突進してくるタイプが多い。強力な敵は、銃を撃ってくる使用人と小ボスである吸血鬼だろう。ある種の敵は、特定の武器で倒さなければいけない。AIはあまり芳しくなく、ドアを開けることが不可能で、またスタックも見受けられる。だが弾薬やヘルスが厳しい時は、こういうバグのために助けられたことが往々にあった。

先にも述べたが、あまり使い勝手のいい武器はない。剣、リボルバー式拳銃、マスケットライフルとクラシックな銃火器の他、十字架、聖水、木杭、ニンニク等、おきまりの対吸血鬼用の武器アイテムがある。僕は途中まで気づかなかったが、プレイヤーはライフル銃を複数持っているようだ。そのため、戦闘時に外して再装填するよりも、違うものに切り替えた方がいい。

屋根上や場内墓地などがあるが、基本的に城の回廊のみ。プレー通して黒一色の雰囲気になるが、全く飽きは来なかった。

発売当時もすでに綺麗ではないグラフィックだったが、今やれば一層色あせて見えるだろう。しかし、グラフィックの綺麗さというよりデザインセンスでホラーの雰囲気を仕立てており、その朽ち果てた暗黒の城の雰囲気は色使いによってよく再現できている。

環境音、BGM、とにかくサウンドは最高に出来がいい。ホラーの本質がわかったようなものを使っていて、製作者のセンスのよさが伺われる。一部映画の音響を使っているというのも頷けるだろう。正直、このゲームはグラフィックよりサウンドと思う。通常は、いかにも何かが現れそうな不気味なサウンドだが、敵が現れるとそれ相応のBGMに切り替わるダイナミックミュージックを採用している。唯一、残念なのは銃火器の音が軽いことか。

特にバグは発生しなかった。一部ATIカードで発生するバグのホットフィックスが出ている。

総評として、これは本当に素晴らしい作品だった。非常にマイナーで、知らない人も多いかもしれないが、是非一度体験版をプレーしてみてほしい。

広告
カテゴリー: FPS パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中