Deus EX: Human Evolutionレビュー

所謂歴史的名作と評されているDeus Ex。ステルスでもアサルトでも可能なアプローチ、そのための育成、個性豊かなキャラクターとの会話、多岐にわたる分岐などが革新的で、多くのPCゲーマーに称賛された作品である。続編Invisible Warはコンシューマに合わせた諸々のダウンサイジングにより、寧ろ失敗作と看做されている。しかし私個人の印象では、初代は余りにも複雑で、またステルスを前提としているプレーの為(スキル等を上げない限りとても戦えない)、クリアまで相当骨を折った。寧ろ単純化されたIWの方がとっつき易かった。

さて3作目であるHuman Revolutionは、スクエニの手が入っているので、リージョン規制等で悩まされるのかと危惧していたが、問題なく購入、プレーできている。また、大変有り難いことに有志の日本語化も存在する。難解極まりないストーリーがネイティブ表示されるので、よりとっつき易くなっている。

大まかなゲーム性は変わっておらず、目的に対しどう進んでいくのかは自分のプレースタイルに委ねられている。今回、進め方によって経験値を入手するのだが、明らかにステルスプレーの方が多く獲得するようになっている。一般的にステルスは、アサルトと比べると相当時間と手間を要するので、その見返りなのだろう。完全ステルスを達成すると、さらにボーナスとして大きな経験値を得るようになっている。一方、普通のFPSのように正面切ってドンパチすることも可能である。

この経験値でレベルを上げる(若しくは高価なキットを買う)と、オーグメントポイントを上げることが可能。その拡張機能は色々あるが、やはり自分のプレースタイルに合ったものを上げると良いだろう。ただし、どうプレーしようが端末ハッキング関連は必須である。敵から奪ったパスコードでの解除では経験値を入手できず、一方ミニゲームのハッキング解除では経験値を貰えるので、人によっては経験値欲しさに「コードあれどハッキング」という本末転倒な行動をとってしまうだろう。

私のプレースタイルを振り返ると、ステルス・アサルト半々程度だった気がする。というのも、「タレットやロボを乗っ取って、同士討ちさせる」という方法をとったので、ある程度ステルスを維持し、それらを乗っ取った後は皆殺しというプレーだった。腕力を上げると、設置式タレットを持ち運べるようになり、それを新しいエリアのドア付近に置くだけで、敵を一掃してくれる。そのために必要なオーグは、腕力アップ、ハッキング関連と、銃撃戦関連(エイム安定、ダメージ軽減)だけでよかった。ゲーム中盤で必要なものは全て揃い、以降はもうそれほど経験値を必要としなかった。

銃撃戦は典型的なカバータイプとなり、それらに張り付くと三人称視点となる。身を乗り出して撃ったり、ブラインドファイア等ができる点も同じ。このカバーを使用しない戦い方、つまりQuakeよろしく突っ込んで撃ちまくるのは厳しい。自動回復ではあるが、2人以上から撃たれると、あっさりやられてしまう。ダメージ軽減のオーグメントを使うと最大45%まで抑えることができるが、これでも中盤以降は厳しいだろう。結局カバーを使いながら、チマチマと狙い撃つスタイルになる。また、敵から弾薬取得が少ないので、必要な弾薬は予め店で買っておいたほうがいい。同様に、持ち運べる容量も序盤は少ないので、武器は選別する必要がある。私の場合、ステルス武器はバッサリ切り捨て、コンバットライフル、ショットガン、スナイパーライフルで進めた。ロボットと戦うことは滅多になかったので、ロケットランチャーは不要だった。因みに、ロボット等にも通常弾は有効だが、大量に消費してしまう。一方、エネルギー武器は今一つ使い勝手が悪い。

AIは、ステルスとアサルトを両立させている。基本的に決められた巡回ルートを歩いている。ステルス系のオーグメントを使わずにプレーしたが、敵AIの視野は狭いものの、視認距離は長い(特にタレット)ように感じられた。カバーを使うことで、大分発見率が下がるが、箱などの持ち運べる物を持って行きつつ、それに隠れているのはなぜか容易に発見された。音にも反応し、走ったり、物を投げたりすると警戒する。後ろからしゃがんで歩けばほぼ発見されない。一方アサルトでの振舞いは、カバーに隠れたり、移動しながら撃って、ダクトなどに隠れるとEMPグレネードなどを投げてくる。また、こちらがカバーに隠れると、それ以上は突っ込んでこない者が多く、巡回エリアから逃げると、それ以上は追撃してこない。

他、ソーシャルバトルというものがあり、所謂舌戦である。選択肢による質疑応答で相手を言い負かすと、重要な情報と大きな経験値を得ることができる。その弁論を助ける為に、ソーシャルオーグというものが存在する。これは、どの応答をすれば良いのかある程度補佐してくれる。ステルスや戦闘では親切なチュートリアルがあった一方で、このソーシャルオーグのそれは省略されていたのが気になった。

グラフィックは、今作でやっと私好みになった。初代は、どうしてもあのヒョロヒョロとしたプラスティック人形のような造形がどうしても受けつけず、世界観に没入することができなかった。IWは確かに垢抜けたものの、他のSci-Fiと変わらずそこまで訴えてくるものはなかった。私のPC環境は既に時代遅れになっていて、フレームレートが安定せず、特定の方向を向いたときに大きく数値が下がることが多かった。ラストは特に重い場所が多く、10程度に陥ったこともあった。

致命的なバグは特に発生せず、きちんとクリアーすることができた。細かいものとして、上のスクリーンショットの場所で、グラフィックの異常描写が発生した。

総評として、ゲームがプレイヤーのやり方に合わせてくれるので、万人に薦められる。「初代に比べて●●だ」と難癖をつける人の批判はあまり気にしなくて良い。確かにそれを今からプレーする価値はあるが、現在のFPSの標準が定着したCOD3以降に参入したプレイヤーには、かなりシビアで複雑と映るのではなかろうか。そう考えると、本作品は現在の流行を採用し、コンパクトでバランスよく纏まった作品と言えるだろう。ただ、エンディングは例によって自分の選択となるが、これはちょっと不満だった。選択後それから社会がどうなったという説明がなされず、単にプレイヤーの選択を主人公が論拠付ける形で終わっている。

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